2011年夏から秋にかけてのヴィクトリア朝・メイド・執事・屋敷に関連する映画・ドラマの紹介をします。あまり最近はこの辺を更新していませんでしたが、久しぶりにまとめます。英国以外でもメイドや執事が出るので扱っている作品もあります。
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[映画/ドラマ/映像]Cranford(邦題:クランフォード)
『Cranford(クランフォード)』はエリザベス・ギャスケルの原作小説をBBCがドラマ化したものです。初回公開時、約800万人が視聴したといわれています。ここ数年では最も人気のあるクラシックドラマのひとつです。
[映画/ドラマ/映像]North & SOUTH(北と南)
『North and South』(北と南)はエリザベス・ギャスケル原作のBBCドラマです。この手のドラマにしては珍しく、工場経営者を主軸とし、描かれる風景も荒涼たるものです。そのギャップが、この作品の魅力です。
[映画/ドラマ/映像]Little Lord Fauntleroy(邦題:小公子)
『Little Lord Fauntleroy』はかつてNHKで放送されたBBC版『小公子』をDVD化したものです。ストーリーは原作そのままですが、原作そのままに作りこまれた背景世界が素晴らしいです。
[映画/ドラマ/映像]8人の女たち
『8人の女たち』は8人の女性を主人公とし、舞台となる館の主マルセルの殺人事件を巡る物語です。国は1950年代フランスで、メイドも出てきます。このメイドがとてもいい味を出していて、個人的に好きな作品です。
[映画/ドラマ/映像]ナニー・マクフィーの魔法のステッキ
『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』は、母を失い、甘やかされた子供たちが次々とナースメイドを追い出し、父親を困らせるところにナニー・マクフィーがあらわれて、みんなを幸せへと導く童話のような世界です。
[参考資料]英国メイドの世界(著者による紹介)
『英国メイドの世界』は屋敷の日常生活を、そこで働く家事使用人や所有者の貴族たちの視点で照らした読み物・資料本です。総勢150名以上の実在したメイドや執事、ガーデナー、それに彼らが仕えた貴族や主人たちを含め、その時代を生きた人々が直接語ったり書き残したりした言葉から「屋敷という職場」を再構成しました。
[参考資料]女中イメージの家庭文化史
『女中イメージの家庭文化史』は現時点の近代日本から現代にかけての女中(メイド・女性家事使用人)事情を知る上で、最高の資料です。日本の女中を巡る論文は多いものの、経済史や女性史、家庭史と広範に分散しており、日本で「女中だけを研究した単著」は、この一冊だけだと認識しています。
[漫画]シャーリー
『シャーリー』は、日本人が思い描く「英国メイドのかわいらしさ」を極限まで引き出した作品だと思います。メイドが持つ健気さ、仕事へのこだわりと自分を評価してくれる主人への献身。多くの人が、メイド服を着てくるりと回転して、スカートの裾をはためかせるシャーリーに魅了されたと(勝手に)思っています。
[小説]ラークライズ
『ラークライズ』は19世紀イギリスののどかな田園風景が好きな方に、絶対に読んでいただきたい一冊です。興味のあるところを拾い読みするだけでも、英国の風景が広がることでしょう。登場する人物たちも愛すべき人たちばかりです。
[小説/コミックス]半身
サラ・ウォーターズの小説『半身』は「このミステリーがすごい!〈2004年版〉」海外部門で1位を受賞した作品です。ヴィクトリア朝が好きな方ならば一読の価値がありますし、ミステリが好きな方ならば楽しめると思います。とにかく、登場人物の感情とその主観に引き込まれます。
[漫画]『エマ』、あるいは『エマ』から受けた影響
日本のメイド漫画の代名詞ともいえる存在になった作品が、森薫先生の『エマ』です。何よりも、本格的にヴィクトリア朝のメイド像を描き、当時の使用人がいた暮らしや時代の雰囲気を、働く姿を、愛情がこもったまなざしで伝える稀有な作品です。「好きだから、描いた」という言葉が似合います。
[映画/ドラマ/映像]Tipping the Velvet
『半身』や『荊の城』で有名なサラ・ウォーターズの処女作である『Tipping the Velvet』のBBCドラマ版DVDです。小説版は日本では出ていません。この小説は原作者が「読みたかったので書いた」と、DVDのインタビューで言っていた通り、かなり濃厚なストーリー展開です。
[映画/ドラマ/映像]MANOR HOUSE(マナーハウス) 英國発 貴族とメイドの90日
現在映像化されている屋敷関連の資料の中では、最高峰の位置づけとなる作品です。英国メイドを扱ったコミックス『エマ』の作者・森薫さんはこのDVDと、『ヴィクトリアン・サーヴァント』があれば英国メイドマンガが描けると推薦した一作です。