明治、大正、昭和の女中事情を扱った資料一覧(リスト)を公開します。誰かが考察を深める・広げてくれることを願って、現状私が確認している入手可能な資料の一覧を掲載することにしました。

イギリスのヴィクトリア朝を中心にした屋敷とメイド・執事・使用人の暮らしの研究から日本のメイドブーム研究まで。
『英国メイドの世界』は屋敷の日常生活を、そこで働く家事使用人や所有者の貴族たちの視点で照らした読み物・資料本です。総勢150名以上の実在したメイドや執事、ガーデナー、それに彼らが仕えた貴族や主人たちを含め、その時代を生きた人々が直接語ったり書き残したりした言葉から「屋敷という職場」を再構成しました。
『Victorian Farm』はヴィクトリア朝の技術・生活レベルで農場経営を行い、農家での暮らしも体験するドキュメンタリーです。専門性を備えた3人組が主役となり、体験と解説をしながら、日々を過ごします。
英国では「過去の暮らしを体験・再現する」ドキュメンタリーが流行しています。『Edwardian Farm』は『Victorian Farm』に登場した3人が、エドワード朝の農場生活を体験する番組です。
内容は留学した漱石の日記を交えながら、彼が接したイギリス文化を解説していくというもので、思想としては自分の同人誌に近しいものを感じます。特にこの筆者の方に共感が持てるのは、「行間を読み、自分の意思で偏執的に調べ尽くす」ところです。
ヴィクトリア朝を詳しく知ろうと考えた時、和書ではこの本を最初に買いました。講談社の新書で、値段も高くありません。当時の社会情勢を把握できる大きな構成でありながら細部をしっかりとフォローし、導入書として最適です。
和書『英国ヴィクトリア朝のキッチン』の元になったBBCの番組『THE VICTORIAN KITCHEN』をDVD化した、貴重な映像資料です。コック経験者のルースと助手のアリスンの2名で、当時のキッチンで当時の料理を再現します。
料理を通じてヴィクトリア朝を描き出す最高峰の資料です。ヴィクトリア朝とメイドに深く関心を抱くに至った契機の本で、私の人生を変えた一冊です。メイドの資料本が少なかった時代、バイブルとしての価値を持ちました。