『名探偵ポワロ』完全ガイド (星海社新書)

はじめに


『名探偵ポワロ』完全ガイド(久我真樹、星海社、2020年)は、ミステリの女王アガサ・クリスティーが生み出した世界的名探偵エルキュール・ポワロを主人公とする原作小説をドラマ化した『名探偵ポワロ』全70話を網羅するガイドブックです。

『名探偵ポワロ』は英国で1989-2013年までの24年をかけて、全70話が放送されました。ポワロ作品の長編33本すべてと、短編37本をあわせたドラマを、俳優デビッド・スーシェがポワロを演じきりました。日本でも1990年からNHK総合の地上波で放送が始まり、ポワロの吹き替えは名優・熊倉一雄氏が、パートナーのヘイスティングスは富山敬氏・安原義人氏が演じました。スーシェの演じたポワロは「最高のポワロ」とも評されるほど、魅力を放つ存在となっています。

本書は、非常に魅力的な作品である『名探偵ポワロ』の全70話を2ページ見開きで解説し、英国の家事使用人・屋敷研究者の私の視点で、ドラマの見所や、1930年代の英国の時代背景や日本の視聴者に馴染みがなさそうなことを補足する「ドラマの副読本」として書きました。

あわせて、全70話を俯瞰して、「屋敷が舞台になった作品はどれだけあるのか?」「殺人の手段は?」「動機は?」「一番被害者が出たドラマは?」など、データから見る『名探偵ポワロ』についての考察も行いました。

私がこのドラマに出会ったのは、ミステリを読んだこともない中学生・14才の頃でした。何の前提知識がいないままでも、『名探偵ポワロ』は非常に面白く、その後、私は原作を読み、ドラマと出会ってから10年後には、ドラマの舞台の一つとなっていた英国貴族の屋敷とそこで働く家事使用人の研究を始めました。

そんな私から見たポワロの魅力をお伝えできれば、幸いです。

見本(試し読み)

「はじめに」(36ページ分。まえがき、キャラクター紹介、ドラマ1-10話までの解説)が試し読みできます。
星海社新書『名探偵ポワロ』完全ガイド

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星海社による紹介文

ドラマ『名探偵ポワロ』を英国ヴィクトリア朝&メイド文化研究者が徹底ガイド!
〝ミステリーの女王〞アガサ・クリスティーが、作家生涯の大半をかけて書いた名探偵エルキュール・ポワロ。彼の活躍を記す原作小説をドラマ化した『名探偵ポワロ』は、1989年から2013年のなんと24年にわたって放映。英国のみならず日本も含む世界各国でも親しまれ、英国における最多海外放映されたテレビドラマとなりました。本書はその全70話を徹底ガイド! 英国文化研究者の視点から、『名探偵ポワロ』を熱愛っぷりを覗かせながらご紹介します。まだ見ぬ視聴者の方も、視聴済みのファンの方も、『名探偵ポワロ』の味わい深い魅力を一緒に堪能しましょう!

内容

・見開きで全70話を1話ずつガイド(情報量圧縮しています)
・コラム
1:家事使用人の制服
2:『名探偵ポワロ』と家事使用人
3:家事使用人は透明な存在なのか?
4:あなたの家はどんな家? 事件現場になった家
5: 殺人は癖になる? 事件と動機
6 :『名探偵ポワロ』の探偵像
・巻末にデータリスト
・同人誌でイラストを描いていただいたウメグラさん(@umegrafix)のイラスト掲載+新規の表紙絵
・価格は1000円(税別)です。

同人誌との違い

『名探偵ポワロ』完全ガイドには、元になった同人誌が”『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド”が存在しています。同人誌と新書の内容的な相違は以下の通りです。

以下、同人誌(上下巻)です。

[同人誌]『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 上巻

[同人誌]『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 下巻

ドラマを楽しむために

ドラマ原作の短編集は、数冊の本に収録されているので、是非、この機会に原作も読んでみてくださいという紹介記事です。

ドラマ『名探偵ポワロ』を見た方におすすめの原作短編集

ポワロの時代となる1930年代は、英国での邸宅住まいが過去の時代より難しく、また家事使用人(メイドや執事)の雇用が衰退していく時期にも差し掛かっています。その時代についての解説した同人誌も作っていますので、あわせてご参照ください。

[同人誌]英国メイドがいた時代(電子書籍版あり)

ドラマ自体は今、NHK BSで毎週土曜日・だいたい夕方5時ぐらいに再放送しています。Amazon PrimeのWOWOWシネフィル入会(月300円)の対象にもなっています。最終話まで抑えており、また『シャーロック・ホームズの冒険』なども対象なので、とても良いです。

NHK『名探偵ポワロ』