解説・補足
本書は、「ランド・スチュワード(領地管理人)」の解説を行います。『英国メイドの世界』では扱えなかった職種となります。ランド・スチュワードは領地の経営者であり、屋敷を監督する執事やハウスキーパーのさらに上のレベルで、主人のパートナー的立場になります。
また、今回はメイドと結婚した百年前の紳士、Arthur Munbyの業績(使用人研究に対する)を讃える同人誌として、『使用人の生涯』という切り口の章を設けています。これはArthur Munbyが集めた六九二人の使用人の墓碑から、様々なエピソードを紹介するものです。全部はとても紹介し切れませんが、日本でこの本の中身が紹介されるのは、非常に珍しいと思います。
解説に加えて掲載する短編小説の方は、本邦初でしょうか(刊行時)、本格メイド小説ならぬ本格フットマン小説の一部を掲載しています。見習い執事とかそういうものではありません。書こうと思ってしばらく忘れていましたが、今回、使いました。物語の主役は『ヴィクトリア朝の暮らし7巻 忠実な使用人』に登場した青年サイラスです。
他2本は実際に読んでお楽しみ下さい。
同人誌の情報
タイトル:ヴィクトリア朝の暮らし 終わりの始まり(ヴィクトリア朝の暮らしシリーズ9巻目)
著作:久我真樹、装画:碧宇様、デザイン:王将様
発行:2008年12月
サイズ/ページ数:A5/76ぺージ
頒価:500円
オフセット印刷
委託先
※委託先の手数料の関係で、即売会の頒布価格と異なります。
目次
○はじめに―――――――――――――― 五
本同人誌『終わりの始まり』の内容について
同人誌『ヴィクトリア朝の暮らし』について
『英国メイドの世界』から買われた方へ
引用について
刊行した同人誌の参照
表記について
○第十四章 上級使用人補遺―――――― 七
短編小説「スチュワード」―――――― 八
1・スチュワードとは?――――――― 十二
2・仕事の内容――――――――――― 十三
3・種類―――――――――――――― 三三
4・特殊な立場とエピソード――――― 三三
5・制服―――――――――――――― 三八
6・待遇と将来性―――――――――― 三九
7・管理した場所・職場――――――― 四一
8・終わりに―――――――――――― 四二
9・有名なキャラクターや実在の人物― 四四
参考資料―――――――――――――― 四四
○第十五章 ヴィクトリア朝の暮らし短編集 四七
明日の自分
冷たい頬
その、指先
○第十六章 使用人の生涯
彼が残した記録―――― 五五
1・はじめに
2・データから見る使用人
3・墓碑から伝わるエピソード
○『窓辺にて』――――――――――――― 六九
○あとがき――――――――――――――― 七一