[同人誌]英国執事の流儀(電子書籍版あり)

英国執事の「執事としての働き方」(流儀)に光を当てた一冊

裕福な屋敷において「部下を監督した管理者としての執事」に焦点を当てた一冊で、2009年08月に刊行しました。

そもそも、当時の使用人の仕事マニュアルには「仕事内容(What)」は定義されていても、「どのように行ったのか(How)」がありません。そこで「手記を残した(=ある程度成功した)執事七人」のテキストを読み取り、彼らが「どんな仕事をしたか(What)」から一歩踏み込み、「どのように働いたのか(How)」を扱っています。

さらに、

・彼らがどのようなキャリアを形成して執事となったか?
・執事となってから部下をどうマネジメントしたか?
・育成する際にどのような工夫をしたか?

などの切り口で、豊富なエピソードを織り交ぜながら執事の仕事を紹介していきます。日本で、この視点と密度で執事が語られるのは初めてだと思います。

「クライアント(仕事の依頼主)」として主人との関係や、執事の転職事情、同僚との信頼関係、そして「働く目的」など、現代人が語ったのではないかと思える視点での英国執事(ヴィクトリア朝生まれが多数)の言葉も掲載しています。

共感できる箇所がひとつでも見つかれば、幸いです。

そして、以前書いたように、自分が見つけた「最高の執事たち」を題材にしています。この執事たちを上回る視点、流儀を持つ執事をご存知の方は、是非、教えて下さい。世界は広く、まだ見ぬ執事に出会ってみたいと思っています。

英国執事の流儀表紙英国執事の流儀裏表紙

同人誌情報

タイトル:『英国執事の流儀 How the Butler Worked』
値段  :1000円
サイズ・ページ:A5/148ページ(厚さ0.9cm)
頒布開始:2009/08/16(日) コミックマーケット76 西お16b

電子書籍

制作

筆者     :久我 真樹(サークルSPQR)
表紙イラスト :碧宇様
裏表紙イラスト:U様([DTP]/[PICT]
本文イラスト :ニッシー様/のわきねい様

内容

Part.1 七人の英国執事/イラストあり

1.Charles Cooper
2.Ernest King
3.Charles Dean
4.Eric Horne
5.Edwin Lee
6.George Washington
7.Albert Thomas

Part.2 英国執事の流儀

CHAPTER1:Who Could Become a Butler?/執事への道
CHAPTER2:How the Butler Worked/英国執事の流儀
CHAPTER3:Boss Management/屋敷の主人たち
CHAPTER4:Fellowship/同僚との信頼関係
CHAPTER5:Keep Looking, Don’t Settle/執事の転職事情とその現実
CHAPTER6:Someday You May Find/その生涯

メイドサークルじゃないの? 執事?

当サークルは屋敷を主体にして、貴族の生活とそこで働く使用人を中心に扱ってきました。また、経済圏としての屋敷の研究を行っており、必ずしもメイドに限定していません。(前回刊行『終わりの始まり』では領地経営を行う「スチュワード」を取り上げています)

今回、同様の切り口でメイドやハウスキーパーも扱うつもりでしたが、資料が足りず、断念しています。

これまでの同人誌との関係

単体で完結しています。一見の方でも、執事やメイドに詳しくない方でも読めます。会社勤めをしていれば、十分に楽しめます。

本書の構成と作り方は『MAID HACKS』と類似していますが、切り口はまったく異なっております。タイトルは『英国メイドの世界』の続編、としての位置づけから、このようにしています。

使用人全体を幅広く知りたいのでしたら、『MAID HACKS』をあわせてお読みいただくことをオススメしています。

あわせて読んでいただくとわかりやすい日記

百年前の執事から学ぶマネジメント
英国メイドが守るべき「ルール」(1901年)