対象読者
本を売る、あるいは映画や映像、DVDなどの販売やPRにかかわる方々。
書店での文脈つくりに著者リソース利用のご提案
久我真樹と申します。10年間、同人の場で歴史研究と発表を続ける私にとって、「個人が趣味を通じて作品を発表し、代価を得ることでより趣味に時間を費やせる環境を得ること」は重要なテーマです。昨年から作品発表の場としての電子書籍周りでの動きを注目していましたが、私は2010年11月に講談社BOXから『英国メイドの世界』を刊行したことで、意識が変わりました。
同人イベントの場で自分で読者と直接出会うことに慣れていた私にとって、書店(ネット・リアル問わず)での販売は初めてのことでした。書店員の方々にPOPを作っていただいたり、フェアをしていただいたりすることは想定外に嬉しく、同時に、その判断をした書店の方々の恩に応えるには何ができるのかを考え、無理のない範囲で著者が書店の方々と一緒にできることを探しました。
また、私の本はかなり出版社のリソースをつぎ込んでもらっているので、一度絶版になって出版社が手を引くと、本としての完成度が落ちる可能性が高く、私は「本を絶版にしない」ことを意識しました。そのためには、数年レベルで常に本が売れるような状況を、思い描かなければなりません。
こうした考察を、ブログで行いました。
出版した本に1日でも長く生きてもらうため、著者に出来ること(2011/01/16)
本を書店で初めて売る体験から気づいたこと(2011/01/26)
書店で本を売る現状認識と著者が提案可能なアクション(2011/02/07)
今時点で至った結論は、「自分の本」を売りたい著者と、「本」を売りたい書店で取り組めることとして、「書店フェア」か「文脈のある書棚作り」の際、著者のリソース(ウェブ経由)を用いてもらうことでした。
ある領域の著者はその専門性ゆえに、世の中に沿った文脈を作る・関連性を描くことができます。そこで、情報を伝えるウェブの窓口を著者が持ち、そのリソースを書店の方々に使っていただくことが、相互にとって負荷が少ないと考えました。
詳細は上記リンク先に記していますが、このコーナーではまず、「本・DVD(映像作品・ドラマも含む)」を現場で売る方々に向けて役立つ情報の窓口として更新を行っていきます。
私個人が活動を続ける上では「私の本」が売れるのが望ましい状況ですが、私の最大の目的は、自分が好きなことに関心を持つ人が増えて話もしやすく、また創作表現が増えて読者として楽しめる環境を作ることです。そのために、ご利用いただければ幸いです。