概要
実際に私が「啓文堂書店三鷹店」様と取り組んだ、『英国メイドの世界』のブックフェアについてご紹介します。内容は書店で本を売る現状認識と著者が提案可能なアクションで記したことを再編集しています。
なぜ書店フェアを行うか? どう取り組めるか?
「私の本を売る」発想を捨てれば、書店が得る利益を大きくできる提案をできます。「書店フェア」と、その為の「著者リソース利用の提案」です。当たり前の結論で面白みがないかもしれませんが、「私の本を売って欲しいから、私の本を売るフェアをして欲しい」ではなく、「世の中のトレンドに沿ったコンテクストを著者が提案し、その中に自分の本も含める」ことができれば、読者にとっては「話題性がある発見」、書店にとっては「売上」、著者にとっては「自著の売上」と「フェアで扱う領域のジャンル活性化」が期待されます。
丸善と取り組む松岡正剛さんレベルの「世界観で魅せる」フェアには遠く及びませんが、少なくとも、学術書ではない範囲で日本で刊行されるメイドや執事、ヴィクトリア朝の歴史本・小説など諸々含めた私の関心領域は広く、また「読者」に近いです。その領域にどっぷり浸かっていますので、幅広い提案が可能だと思います。
私は「自分の本と近しい本」を見つけ、また補い合えることを前提に「本を一人しない」提案をできるのではないかと思います。ある領域に特化した著者は、相手に応じて本のラインナップを提案する感覚を持つはずです。書店は併売データとして持ち得ると思うので、その辺りをうまく一緒にできないものかなぁと考えています。
以下、実例(結果データは把握せず)を交えて取り組みをご紹介します。
書店フェアの流れ
2010年11月の発売時、啓文堂書店三鷹店様で多く本を仕入れて下さり、先ほど事例として挙げたように、担当編集さんから「鶴田謙二さんのイラストがある帯をモチーフにしたPOP」を同書店に送って下さいました。
その後、「書店フェア」を行って下さっていることから、「私の方でラインナップを提案しましょうか」と関連書籍リストの候補とその理由(時事ネタや関連性の強さなど)を編集部に送りました。それから書店の担当の方が選定を行い、その本を紹介する短いコメントを私が考える、という流れで話が進みました。
英国メイドの世界へようこそ(啓文堂書店三鷹店様:2011/11/17~)と、フェア自体は発売後すぐに始まっていますが、その後、POPがイラスト付きに変わったり、ラインナップが変わったりと進化しました。
すべてが同時に行われたわけではありませんが、結果として、11月に始まったフェアが1月中は続き、こっそり、11月、12月にうかがった時には本のラインナップも都度変わっていました。1月になってからネットで知ったのは、「私のレコメンド」を編集部が本のデザインに合わせたペーパーを作ってくれていたことです。1月の時点で、このフェアを紹介して下さったブログがありました。
詳細は是非、リンクを読んでいただきたいのですが、「関連書籍があることで、本の文脈の広さを伝えられること」(メイド=萌え、という認識が強く、それと異なる本であることを「周辺の本」が伝えてくれる=著者にメリット)、「書店独自のフェアが面白い、との感想」(書店のブランディングにメリット)があったように感じられます。
実際のところ「全体での本の売り上げ」という結果を出せているかは分かりませんが、著者の心情として取り組んでいただいたことが嬉しかったですし、少しでも援護射撃をしたいとこのようにウェブでテキストを書いています。
私が提案できる事項
緩やかなものから、コミットを強めるものまでパターンがあります。後に行けばいくほど双方に時間や手間がかかりますが、私はあまり気にしないので、ニーズがございましたら編集部にお声掛け下さい。
私の最終的な目標は、この領域に関心を持つ方を増やすことで、本同士がフェアを通じて繋がりを持つことで、より多くの人が興味を持ちやすい環境を作ることにあります。書籍フェアに限らず、書棚の方でもご協力できそうなことがあれば、是非。
■1.ウェブでの情報発信を見る
基本的には、このサイトを定期的に見ていただき、私が提案するトレンドに沿った商品ラインナップ。コンテンツを軸にフェアや取り上げ方を現場に活用していただく方法です。定期的に更新していく予定です。
自分の本を軸にした場合に比べると、なかなか難しいものですね。
■2.POPを活用するために、編集部に連絡をする
まず、こちらの編集部ブログの案内用にあるように、編集部に問い合わせをしていただければ、段取りを整えてくれます。
編集部の連絡先は本の奥付にあります。
■3.本のラインナップを私が提案し、コメントを書く
最後が、私によるフェアの提案です。客層や売り場の状況などをご提示いただければ、ある程度、それに沿った提案ができると思います。こちらも編集部経由となりますので、編集部にご連絡を頂き、調整でお時間を頂くこととなります。