[同人誌]ヴィクトリア朝の暮らし 4巻 貴族と使用人(三)

解説・補足

今回はメイドさん編の後編です。本は二部構成で、前半は「実際にメイドさんがどんな環境で働いていたのか?」を考察し、後半では職種ごとにメイドさんがどんな仕事をしていたのか、創作や資料から具体的な事例を紹介しつつ、解説します。

「スティルルームメイド」と「デイリーメイド」については、日本初公開と思える情報で構成しています。『エマ ヴィクトリアンガイド』で同メイドに興味をお持ちの方、料理系メイドに関心を持たれる方の期待に十分に応えられる内容に仕上がっています。

(ターゲット層)
1:『エマ』の読者の方
2:19世紀イギリス文学に関心のある方
3:アガサ・クリスティーの作品が好きな方
4:メイドさんが好きな方
5:『エマ ヴィクトリアン・ガイド』とは違った情報が欲しい方
6:ファンタジーで描かれる近代的貴族像・暮らしに興味のある方
7:イギリスに旅行して、屋敷や建物に関心のある方(19世紀の?)
8:TRPG(スチームパンクやゴーストハンターなど)
9:ヴィクトリア朝&エドワード朝が好きな方

情報のカテゴライズの仕方で内容もわかると思いますので、何度か日記に書いていますが、またしても内容の紹介を……微妙に細部で減っています。

予定していたメイド・オブ・オールワークは内容が多岐に及ぶことから、次回以降にしました。実際のところ屋敷が舞台である以上、メイド・オブ・オールワークは存在しないのです。屋敷では様々なメイドに細分化される仕事を、中流階級の家庭ではひとりでこなしたメイドが、使用人の仲では多くを占めていたことを、心に留めていただければと思います。

同人誌の情報

発行:2004年12月(絶版)
サイズ/ページ数:A5/100ぺージ
頒価:400円
オフセット印刷

目次

第五章 使用人の立場
(概論)
■労働条件と賃金
1:待遇
2:平均的賃金基準
・A:職種(年齢)+職場
・B:技術・経歴
・C:性別
・D:地域+年齢
3:給与と手当て
・A:紅茶/砂糖の手当て(経費削減)
・B:ビール手当て(福利厚生)
・C:洗濯代(経費削減)
・D:食事代(経費削減?福利厚生?)
・E:制服代(男性:必要経費、女性:経費節減)
4:昇給
5:支払方法と受領証
6:役得(Perks)
・チップ
・コミッション
・役得
7:使途
・貯金
・送金
・消費

■使用人としての暮らしと社交
1:仕事時間(月~日)
2:使用人ホール:仕事の合間、社交の舞台
・A:談話室
・B:集会場
・C:食事
・D:パーティ&ダンス
3:私室
・A:恵まれていない屋敷・普通の邸宅の場合
・B:普通の場合:屋根裏部屋
・C:恵まれている場合
・D:上級使用人
・E:客人の使用人

第六章 メイドさん(料理系)
(種類)
■キッチンメイド
・キッチンメイドとは?
・家政を二分する勢力と上級職への系譜
コック、キッチンメイド、スカラリーメイドの位置づけ
・キッチンメイドの仕事
・日々の料理の準備(朝食~昼食)
・当時の食糧事情
■コック
・コックとは?
・コックの歴史~男性使用人
・ディナー
・旬の食材
・役得
■スカラリーメイド
・スカラリーメイドとは?
・仕事内容
1・洗い物
A:食事
B:調理器具
C:キッチンや洗い場全体
2:料理の下拵え
3:火起こし
・職場~スカラリーとは?
・食器類・皿・調理器具の洗い方
■スティルルームメイド
・スティルルームメイドとは?
・スティルとは?
・蒸留の技法
・デザート
・スティル・ハウスの器具たち
・閑話休題・現存するスティル・ハウス
・女主人からハウスキーパーへ
・スティルルームメイドの仕事
A:蒸留業務
B:デザート・保存食・お菓子の準備
C:お茶の習慣・その準備
D:上級使用人の食事では給仕役
E:ハウスキーパーのサポート・リネンや家財の管理
■デイリーメイド
・デイリーメイドとは?
・イメージとして
・デイリーは女主人にこそふさわしい仕事
・一八世紀:『王族』の時代
・一九世紀:女主人から使用人へ
・デイリーの仕事
A:デイリー
B:デイリー・スカラリー
C:例外? 酪農場
・乳搾り
・乳製品を知る
・『余談:バースとデイリーメイド』