Victorian Life Style vol.1 ヴィクトリア朝の暮らし 外伝(一)

解説・補足

『ヴィクトリア朝の暮らし』本編を作るのは間に合わない、それでも何か繋ぎで一冊欲しい、どうせならば冬に必要な資料を整理する一冊にしよう、と思い立ったのが始まりでした。

この頃の日記を読んでいただければわかりますが、制作するのに悩んでいました。ページ数も内容も最初は薄かったのですが、途中から「物足りない」と考え、資料翻訳という自分にとって厳しい道を進みましたが、これのおかげで随分楽になりました。

また、多様な角度で光を当てた分、いろいろな方にコミケで読んでいただけるようになったのも、この本の特徴でした。結果として一回のイベントでは最大の頒布部数を記録しました。

どちらかというと雑誌を意識したつくりに挑戦したかったのですが、レイアウトまで余力が無く、そこまで行けませんでした。しかし、作る過程において得た本や映像資料は、この時期が充実しており、それを紹介できた点でも記念となる一冊です。

最初が「文学とメイドさん」、好きな文学からメイドさんを3人紹介するのですが、そこに蓮野さんのイラストをつけてもらいました。次が翻訳です。英書から、使用人たちの働く職場、カントリーハウスでの使用人エリアにどんな部屋があり、そこには何があるのかを解説したものです。これは資料的に価値があると思います。

小説はさておき、それ以外に『ブライズヘッド再び』『Upstairs Downstairs』を紹介したのもこの本です。当時は未視聴で、その存在のみを書きましたが、今年はその内容などに踏み込みます。

冬が本編・マニアックであるのに対し、夏は息抜き・冬の為の準備号・雑誌感覚で広い読者層を想定するという制作スタイルがここで確立しました。

同人誌の情報

発行:2003年08月発行(絶版)
サイズ/ページ数:B5/52ぺージ
頒価:300円
オフセット印刷

目次

CHAPTER 1
文学とメイドさん:コラム
From her-Story

CHAPTER 2
使用人の世界、或いは彼女たちの職場:資料集
From『The Country House Kitchen 1650-1900』
” CHAPTER1 THE IDEAL KITCHEN IN 1864″

CHAPTER 3
彼女といた時間と:小説
How can I do for you ?