[ニュース]日本ヴィクトリア朝文化研究学会の会報にコラム掲載

日本ヴィクトリア朝文化研究学会の会報vol.9に、寄稿したコラム「日本におけるメイド受容とメイドの魅力」が掲載されました。船戸明里先生経由で、学会の先生方に私のメイド研究に興味をお持ちいただけたとのことで、今回「日本のサブカルチャーにおけるヴィクトリアニズム:なぜメイドがウケルのか?」という表題を学会からいただき、寄稿しました。

いかにメイドの世界をより広く興味を持ってもらうか、また同人の延長でどこまで行けるのかを試みているところでもあるので、自分の足元を見つめなおす意味でも、良い機会となりました。

英国のメイドの歴史を研究している当事者として、同人活動を通じて出会った方や、話を聞かせていただいた方との対話から、メイドを好きな人がどこを好きなのかを描いたつもりです。メイドブームの多様性を示すものとして、という部分と、女性の受容者の多さ(主観ですが)を伝えることを意図しました。

まだデータが圧倒的に足りないのですが、「少女マンガの影響(1970年代?)」や「世界名作劇場(ハウスの世界名作アニメ)や宮崎駿作品」を具現化したものとしての姿を、メイド喫茶のメイドに見出す方が一定層いるのではとも感じており(自分は後者に属性していると思います)、仮説レベルのものをいくつか載せています。

「日本でなぜメイドブームが生じたのか」「メイドブームの原点となったメイド喫茶のメイドの原型はどこから来たのか」はwikipediaの情報がすべてとは思いませんが、まだ自分では扱えません。今後、講談社から出版が出来た際に、どこで興味を持ったかについては「作品と年代」などの読者アンケートを行ってみたいと思います。

データが一定数集まれば個人情報を取り除き、研究用に公開したいですし、本が運良く爆発的に売れるかスポンサーがついた際には、懸賞論文として、私以外の方に研究していただきたいと考えています。いずれも実現可能性は現時点で未知数ですが、折角日本でブームを経て、今も多くのマンガや小説に登場するメイドについての理解を深める一助になりたいと思います。