[同人誌]ある英国メイドの職場遍歴(電子書籍化)

解説・補足

今回の内容は、実在する英国メイド(コックに転身)、Jean Rennieの15箇所の職場経験と、それぞれの職場で出会った人たちのエピソードを書きながら、Jeanの人生を追いかける冊子になっています。

同人誌情報

タイトル:第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号
発行:2016年08月
値段  :100円
サイズ・ページ:A5/16ページ
頒布開始:2016/08/14(日) コミックマーケット90

電子書籍

同人誌の内容

まえがき

2016年の夏コミ用の新刊冊子です。久しぶりに英国の方のメイドです。

英国の家事使用人研究を専門としながらも、ここ5年ぐらいは主に日本のメイドブーム研究をしておりました。今年に入ってようやくそちらの研究の目処もつき始めたので、英国に原点回帰する本を作ろうと作ったのがこの本です。

本書は、自伝や手記を残した家事使用人たちが「職場で一緒に働いた、上司や同僚の家事使用人たち」をリスト化しようとの試みから始まりました。個性豊かな語り手たちは、職場で様々な家事使用人たちと出会い、その名前や特徴を記載しました。記録には、必ずしも屋敷で働く全員が記載されているわけではないですが、使用人の目で見て、職場の規模がわかったら面白いかも、と考えたのです。

そこで最初に選んだのがJean Rennieです。彼女は、自伝『Below Stairs』(日本では、『英国メイド マーガレットの回想』として刊行)を記して一躍ベストセラー作家となった元コックのマーガレット・パウエルと同時代人です。元コックという経歴も同じで、Jeanは自伝『Every Other Sunday』(St Martins Pr, 1981)を記しました。

Jean Rennieは頭が良く、高等教育への進学を目指していたものの、家庭の経済的事情で家事使用人として働くことになりました。彼女の職場遍歴は多様でした。

本当はJean以外の使用人の職場遍歴もあわせてリスト化する予定でしたが、Jeanの転職回数が多すぎたために、別の機会にまとめます。