『C・C・C(チュ・チュ・チュ)』

『C・C・C(チュ・チュ・チュ)』(中島椿、集英社、2007年)は「メイド喫茶描写」がある作品です。第1話目の冒頭、中学生の小島蜜は文化祭でのメイド喫茶開催に張り切ります。

女子全員がメイド服を着用する中、幼児体型の蜜は、友人が小さく仕立ててくれたメイド服でさえ、着用することができません。そんな時、彼女は窓に挟まった動物を助けました。この動物の主人である吸血鬼ロビンが姿を見せ、「大人体型になりたい」という蜜
の願いを、キスして血を吸うことを代償に叶えます。

「超能力を持つ吸血鬼」と「キスをすると大人に変身できる」作品設定の導入として、「大人になりたい」理由にメイド喫茶が使われたのは興味深いことですし、中学生の文化祭にメイド喫茶が登場しても読者に受け入れられている(と作者が考えている)事例となるでしょう。