[資料本]
英書-使用人・メイドさん/家政
『ROBERTS' GUIDE FOR BUTLERS AND HOUSEHOLD STAFF』
著者：Robert Roberts発行：APPLE WOOD BOOKS
時代：ヴィクトリア朝/エドワード朝？
姓は鈴木、名も鈴木、みたいな「ロバート・ロバーツ」氏著作ですが、これはペンネームだそうで、現役の執事がどこで働いていたのかを悟られてその家族に迷惑をかけないようにする為の配慮で、ペンネームで書いているそうです。当然、この現役というのは100年以上前です。
出版はアメリカ、このロバート氏もアメリカ人のような感じですが、使用人本としては、珍しいものです。上記のビートン夫人が「使用人をどう働かせるか」の視点であるのに対して、ロバート氏は自身が執事という立場から、どのように仕事をしていくのかを、「後輩たちに教える」という立場であり、内容は本当に、「実務的」です。
ビートン夫人の本よりも薄い分、内容も直裁的で無駄がありません。ほとんどの項目が「To+動詞」で始まり、靴の汚れを落とすには、ビールを造るには、ディナーでの給仕の仕方など、細部に渡って使用人の「技術」が掲載されています。
使用人がどんな仕事をしていたのかはわかりにくいですが、当時の人々は、どんなふうに問題を解決していたのか、現代との比較を考える上で、面白い内容です。
