[特集/リンク集]日本のメイドブーム関連の情報一覧

目次

1.はじめに

2.メイドブーム全体・経緯の考察
-2-1.日本でのメイドを見るまなざしについて~墨東公安委員会様の考察群
-2-2.総論的に
-2-3.対談
-2-4.wikipedia
-2-5.『黒猫館』をメイドブームの源流とする言説の典拠とブームの流れ
-2-6.『英国メイドの世界』出版時に振り返っていただいた言葉

3.メイド喫茶ブーム
-3-1.ウェブ上のデータ
-3-2.メイド喫茶を巡る見解など
-3-3.コスプレとメイド喫茶ブーム

4.私(久我真樹)による整理
-4-1.日本におけるメイドブーム~メイドは吸血鬼たるか
-4-2.誰が「メイド」表現を主体的に楽しんでいるかの考察
-4-3.イギリスにおけるメイドブーム(1970年代)

5.メイドを登場させている作品・資料
-5-1.メイド創作
-5-2.メイド創作
-5-3.英国メイドの歴史関係
-5-4.メイド関連・喫茶メイン
-5-5.メイド関連書籍・広義
-5-6.同人におけるメイド


はじめに

記録の目的で、日本のメイドブーム関連のテキストを集めておきます。一部、私のテキストも含みます。本来的にはブームの最中に刊行された書籍に言及しなければなりませんが、そちらは今のところ対象外です。今後、研究の余地はあると思っていますので、最後に言及しています。

また、今のところ、ブームの端緒についてはコスプレブームとの相関関係(メイドが先か制服が先か)、また広い層への膾炙についての『まほろまてぃっく』の位置づけを調査中です。

更新履歴

2011/01/04 ”『黒猫館』をメイドブームの源流とする言説の典拠とブームの流れ”と、メイド関連書籍を追記
2011/01/10 ”メイド喫茶を巡る見解など”と”コスプレとメイド喫茶ブーム”を追記
2011/02/10 ”秋葉原のメイド・コスプレ喫茶&リフレの店舗数推移”を追記


メイドブーム全体・経緯の考察

日本でのメイドを見るまなざしについて~墨東公安委員会様の考察群

メイド徒然話~スパゲティナポリタン理論(2006/06/01:筆不精者の雑彙)
メイド徒然話~スパゲティ理論本論の序文(2006/06/02:筆不精者の雑彙)
メイド徒然話~スパゲティ理論本論(1) えっちなのは大事だと思います(2006/06/04:筆不精者の雑彙)
メイド徒然話~スパゲティ理論本論(2)(2006/06/05:筆不精者の雑彙)
メイド徒然話~スパゲティ理論本論(3) 完結篇(2006/06/06:筆不精者の雑彙)
某Y氏への私信(「メイド」喫茶取材方針に関する一提言)(2006/12/04:筆不精者の雑彙)

・上記論考のきっかけのひとつとなった読売新聞の記者ブログと、それへの考察
「メイド」の魅力とは(2006/04/12:ポップ・スタイルブログ・読売新聞)
『エマ』が最終回を迎えたそうで(2006/04/14:筆不精者の雑彙)

総論的に

藤本由香里「少女マンガのセクシュアリティ ~レイプからメイドへ~」(前半)(後半でメイド萌えに言及)
21世紀日本でメイドブームが起きたのはなぜか?(2010/02/02:あやぽんごのダダイズム)
『メガストア』に掲載されていた、メイド文化とウェイトレス文化のお話(2009/06/04:ビジネスから歩み去る有村)
→『メガストア』該当記事の執筆は森瀬繚様・ご本人から情報をいただく

対談

メイドさん放談(酒井シズエ様主宰:2006年から毎年開催)
観音王子×貴島吉志 メイド対談 (2006/02:メイミクオフライン)

同人誌

そのうち追加します。

wikipedia

wikipediaをここで紹介するのは、正確性が高い情報だからというわけではなく(私は正確性の検証を行えないので正確性の保証は出来ません)、「日本でどのようにメイドが描かれているか」(集合的にメイドをどのように見ているか)を知る意味でとなります。

日本のサブカルチャーにおけるメイド
メイド喫茶の誕生
メイド服

『黒猫館』をメイドブームの源流とする言説の典拠とブームの流れ

1.『動物化するポストモダン』(東浩紀・講談社・2001年)
→典拠『不確定世界の探偵紳士』(塩田信之&CB’S PROJECT編・ソフトバンクパブリッシング・2000年)

2.『メガストア』2009年06月号・特集記事「メイドさんパラダイス」P.71-78・森瀬繚様の記事

補足:『黒猫館』がメイドを扱った理由については森瀬様よりはてなブックマークでご指摘をいただきました。

molice 『メガストア』記事の執筆者です。『黒猫館』については、時代というよりも富本たつや氏の趣味に帰せられるかと。氏の同人誌『表面張力』によれば、ヴィクトリア・エロチカ小説におけるメイド少女がルーツとのこと。 2010/09/1
http://b.hatena.ne.jp/molice/20100914#bookmark-24815695

3.『黒猫館』から『殻の中の小鳥』までの間についての展開補足と同期間の作品群についての言及
『黒猫館』の思い出とエロゲ回顧(速水様:震空館:2010年09月)

4.『殻の中の小鳥』と同人との関連~森瀬繚様による製作者へのインタビュー
森瀬様より教わった情報です。『遊べる!!美少女ゲームクロニクルPC98編』(コアマガジン・2007年)同記事内にて以下の言及があります。

企画の栄夢氏が1995年夏コミでイラストレーターを探し、スカウトされた新井氏が同人誌でメイドをいっぱい描いていたので「この人を使うんならばメイドがいいんじゃないか」という話にと。(P.54より要約)

他にもコスプレイヤーと『殻の中の小鳥』の制服を巡る会話をしたり、設定本を1996年のコミケで発表したりと同人との強い関連を示す記述も。

また、森瀬様による『媒体を問わず、初期のメイド物はどれも『くりいむレモン』の第11作、『黒猫館』の再生産だったと思います』(P.62)との見解も。

他にも同作品で表現される「イギリス表現」や、制服についての言及もあり。後日、この辺は整理します。非常に面白いテキストです。

『英国メイドの世界』出版時に振り返っていただいた言葉

『英国メイドの世界』刊行時に、私と同ジャンルで活動されている墨東公安委員会様と鏡塵様からいただいたテキストに、「メイドブーム」への流れも含まれていましたので、こちらも当時を映す鏡として。

久我真樹『英国メイドの世界』発売を祝し11月11日付けで一筆(2010/11/11:筆不精者の雑彙)
訳者名が本当にペンネームなのか気になるところです(2010/12/07:アルクトゥルスの25度下)


メイド喫茶ブーム(メイド喫茶)

ウェブ上のデータ

私は門外漢なので、外神田7丁目のキセキサイト様にて紹介されていたリンクをいくつかご紹介します。

秋葉原におけるメイド喫茶・コスプレ喫茶の歴史(2003/05/24:AKIBA W.C. Headline!!)
メイド喫茶・コスプレ喫茶・メイドカフェ 年表(2003年から)(2005年04月?:RinRin王国)
メイド喫茶興亡年表(1999~2005年)(2005年05月30日:RinRin王国)

ウェブ上のデータ:最新版

秋葉原のメイド・コスプレ喫茶&リフレの店舗数推移(2011/02/10)

メイド喫茶を巡る見解など

メイド喫茶データベース構想(2011/01/10)
メイド喫茶研究概要:論文(2011/07)

コスプレとメイド喫茶ブーム

冬コミ直前! 日本初のコスプレイヤーとは!?(2009/12/25)
コスプレ大衆化の一形態、メイド喫茶ブームの到来(2009/12/28)

上記、有村悠様の記事です。1992年にセーラームーンと格闘ゲームでコスプレブームが始まっていること、1995年にブロッコリーがコスプレ衣装製作コスパ開始、また1996年に有明(東京ビッグサイト)に移動し、1997年にコスプレ登録人口がピークとのこと、そしてコスプレ商業化の流れとしてメイド喫茶ブームを語られています。

また、コミックマーケット準備会の発行紙「コミケットプレス33」の特集「コスプレ」では、1999年に”メイドコスが大ブーム。その他にギャルゲー系が増え、以降定着していく”(P.7)と言及しています。


私(久我真樹)による整理

私は、日本のメイドブームの最中、制服・コスプレ・喫茶的な表現としてのメイドを積極的に消費せず、英国のメイドを追及する立場ですが、当事者のひとりとして考察したことを記録しておきます。

また、イギリスでも「メイドを含む家事使用人」研究が1970年代に盛んになっており、その辺りも考察しています。

日本におけるメイドブーム~メイドは吸血鬼たるか

メイドブームの終焉は「衰退」か、「定着」か(2010/08/28)
補足・メイドブームの断続性と連続性を考える(2010/09/11)
メイドブーム関係の言及をしている理由(2010/09/11)
メイドブーム関連はひとまずここまでに(2010/09/15)
メイドブーム関連の知識のありか(2010/10/03)
日本で描かれたメイドイメージとブームを考えた1年(2010/12/31)

誰が「メイド」表現を主体的に楽しんでいるかの考察

日本ヴィクトリア朝文化研究学会の会報にコラム「日本におけるメイド受容とメイドの魅力」掲載(2010/04/30)
宮崎駿監督アニメの服装とメイド服イメージについて(2010/10/09)

イギリスにおけるメイドブーム(1970年代)

1970年代・イギリスのメイドブームに対して作られた資料本(2008/05/16)
1960~70年代の使用人研究ブームは屋敷の荒廃と表裏一体か?(2009/05/03)


メイドを登場させている作品・資料

「メイドを登場させる作品」(メイドであることに重点が置かれているか、東浩紀さん的なデータベース消費としての「属性」なのか:墨東公安委員会様の話よりヒントを得た視点)の年代別リストでブームや、メイドの描かれ方が確認できるように思えます。大変なので、行っていません。

メイド創作

wikipediaにはCategory:メイドを題材とした作品という項目があります。

成人向けゲームについては、『メガストア』2009年06月号・森瀬繚様の記事にて整理されているのを確認しました。

英国メイドの歴史関係

イギリスのメイドを扱った資料本で言えば、ブームのピーク前に『エマ ヴィクトリアンガイド』、ブームの最中に3冊、そしてブームが一段落した後に『英国貴族の暮らし』、『英国メイドの世界』が出ています。

『エマ ヴィクトリアンガイド』(2003)
『ヴィクトリアン・サーヴァント』(2005)
『召使いたちの大英帝国』(2005)
『図解メイド』(2006)
『英国貴族の暮らし』(2009)
『英国メイドの世界』(2010)

メイド関連・喫茶メイン

『Maid Cafe Style メイドカフェ・スタイル お帰りなさいませご主人様』(2005)
『最強萌系メイド喫茶ガイド』(2005)
『アキバ発メイドカフェ制服図鑑』(2005)
『メイド喫茶開業マニュアル』(2006)
『メイド喫茶制服コレクション』(2006)
『メイド喫茶で会いましょう』(2008)
『「メイドさん」になろう!』(2010)

メイド関連書籍・広義

『衣服の描き方 メイド・巫女編』(2001)
『ご奉仕大好き!メイド本―エプロンドレスで尽くします』(2003)
『「メイドさん」大全 完全保存版―僕たちの大好きなメイドさんが大集合』(2005)
『決定版!メイドポーズ集』(2006)

同人におけるメイド

コミケや帝國メイド倶楽部など同人誌即売会でのメイドサークル参加数数などでも可視化や、その扱われ方などが可視化できると思います。一時期、趣味でやっていた記録を公開します。

数字から見ると創作少年・メイドサークルは減少している?(2007/12/15)

上記考察では4回分(70~73)のコミケを観察し、粗い数字ながらも、創作少年・メイドジャンルの推移を出しています。

コミケ70(2006年08月):92サークル
コミケ71(2006年12月):93サークル
コミケ72(2007年08月):83サークル
コミケ73(2007年12月):63サークル

久しぶりに見ると、コミケ79(2010年12月)は40サークル(メインの島のみ)ぐらいになっているので、相当、落ち込んでいます。

帝國メイド倶楽部の数年分の参加サークル数は、帝國メイド倶楽部9 サークルリスト速報(2008/04/18:英国メイドさん協会)にて、整理されています。なお、直近2010年の11回目の開催時は、18サークルとなっています。(帝國メイド倶楽部十一 参加サークル一覧