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[DVD/映画/映像]
フランス/アメリカ/ロシア
『失われたときを求めて』
原作:マルセル・プルースト
時代:20世紀・フランス
出演:ジョン・マルコヴィッチ、カトリーヌ・ドヌーブ、エマニュエル・ベアール
『失われたときを求めて』の映画『見出されたとき』を入手しましたが、164分、非常に長いです。
構成が難しい小説(全十巻)をどのように映像化するのかと思いましたが、原作には無いけれど、あってもおかしくない描写を入れたり、個人的に好きだった幼馴染のジルベルト(ベアール)と主人公の関わりが多かったりで、「これ以上の映画化はしようがない」との感想でした。
シャルリュス男爵がジョン・マルコヴィッチだったことに愕然としましたが、それにしても映像の意味や登場人物の説明が無いので、原作を読まないと厳しいかと。アルベルチーヌとの関わりの辺りは、原作を読んだとき、生まれて初めて読みながら本を引き裂きたい衝動に駆られたほど、作者の描写に苛立ちを覚えました。
そうした「フラストレーション」があればこそ、最終巻の「つまづいたとき」の、流れゆく文章、純粋な感動が得られたのかと思えましたが、あれを映像化するのは難しく、今回、映像化されていましたが、どちらかというと、原作を知っている人のためのものなんでしょうし、逆に原作を読まなければ、あの作品を見ないのでしょうね。
それにしても、フランスの社交界、素晴らしすぎる衣装と屋敷です。メイドさんも何人か出ていましたが、もっと意地悪そうなおばさんをイメージしていた家のメイド「フランソワーズ」が、ふくよかで人がよさそうなおばさんで、ショックを受けました。セレストもいつのまにか主人公の家のメイドだったり……
ジルベルトはベアール、そして母のオデットがカトリーヌ・ドヌーブと、『8人の女たち』で共演したふたりで、そうした面でも面白かったです。
最近のヴィクトリア朝関係映画では、『カスターブリッジの市長』を原案にしたもの(西部劇にしているようですが)と、ギニーズ(グゥイネス)・パルトロー主演の『抱擁』でしょうか。なんにせよ綺麗な衣装、綺麗な屋敷、そして綺麗な女優には癒されます。
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