|
制作日記
2003/11/30(日)
蓮野さんから連絡があり、明日には原稿が届くとのことでした。今回は時間別の制服の変遷のイラストをお願いしましたが、午前中に着る「プリント地ドレス」がどの程度伝わったか、自信がありません。なので厳密さに関しては、毎度の事ながら、目を瞑っていただきたいなと思います。
そんなこんなで、明日か明後日には入稿を行います。
金曜日か土曜日に、犬の番組があり、終わりの方だけ見ていたら、イギリスのバース侯爵が出てきました。この人の屋敷は「サファリパーク」を運営していました。『英国カントリーハウス物語』で、そんなカントリーハウスの話を憶えていたので読み返すと、屋敷の名前は「ロングリート・ハウス」だそうです。
バース侯爵は恰幅がよく、白い髭がよく似合っていましたが、どちらかというとサンタクロースか、バイキングか、といった雰囲気でした。
また、番組ではヴィクトリア朝期のイギリス版忠犬ハチ公のような話も紹介されていて、面白い内容でした。
2003/11/29(土)
「娼婦と知り合って、立ち直らせようとしたイギリス人作家」がいるという話を、以前、どこかの本で読みましたが、最近読んだ短編集の作者ギッシングが、その人でした。
この人は学生時代に優秀な成績を修めながら、娼婦と知り合い、彼女を支えようとして盗みを犯し、逮捕されました。青年ラスコーリニコフと娼婦ソーニャに置き換えられた、ヴィクトリア朝期の作家のエピソードが、今回のタイトルです。
他には、少し後の時代のヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』を読了しました。過去と現在を行ったり来たりする不思議な構成の映画だったので、「どうやって文章を書いているのか」に興味を持ちましたが、作者は「意識の流れ」を追いかける文体を作り出したとか。
小説も面白かったのですが、映画がこの小説を映像化したセンスには驚きました。『失われたときを求めて』の場合は原作が先でしたので、映画の光景の意味を理解していました。今回、『ダロウェイ夫人』の原作を読んで、何にも意味が無いと思っていた登場人物すべてに意味があったのだと知り、驚きました。
原作も、映画もオススメできます。メイドさんはしっかり出てきます。映画よりも、原作の方が扱いが大きいですね。あと、印象的なシーンがあったので、使ってみたいです。
さて、制作の話です。
もうひとり、校正を頼んでいた友人から修正事項と感想とを貰えました。解説部分で危惧したバランスは、友人二人とも指摘していません。共にメイドさんとニュートラルな距離なので、そうした立場から見ても、特に問題無いようでした。
また、小説部分ではナースメイドの話を大好きと言って貰えましたし、小説全体も好感触でした。
ナースメイドは今回、いちばん書き始めに困ったものでした。流れや構成、登場人物は思いつきましたが、結局、書いているうちに流れが変わり、キャラが立ち、化けました。
小説はキャラを動かせたものと、仕事内容を描写したものとでわかれていますが、その両方をうまく出来たのがランドリーメイドとナースメイドでした。実感としても、過去最高の仕上がりになりました。
解説部分から創作部分まで、今出来る最高のモノを詰め込みました。続き物ですが、登場人物が重なっているだけで、新刊のみでも大丈夫な内容です。
そんなこんなで最終的な仕上げ(といっても数行程度の細部調節、ページ番号ミス修正)が続いていますが、枚数が非常に多いので、地道に印刷と台紙への貼りこんでいます。
不器用で削れ具合が大きいとはいえ、作業の途上でスティック糊が一本、消えました……
蓮野さんの作業が微妙でしたので、印刷所の入稿日を確認したところ、もう少し遅くてもよさそうなので、週明けの火曜日に入稿します。
あとは……印刷カラーと台紙の色でしょうか?
入稿したら、オリジナル小説の作業と、読書三昧の日常に戻ろうと思います。
2003/11/27(木)
『16/108』とは、全体のページ数に占める「ランドリーメイドの小説+解説」のページ数です。校正してもらった友人に「ランドリーメイドの本?」と言われたほど、思い切り、『THE COUNTRY HOUSE SERVANT』の影響を受けました。
「多分誰も取り上げないから、全部書き尽くしてしまえ」という気持ちがあったのですが、まるで英書の筆者・マニアックなHorn氏の魂が乗り移ったかのようです。「ロッジ」に惹かれたり、洗濯関連の道具やシステムに魅せられたのが、ページ数が増えた理由です。
「掃除」「洗濯」「料理」が家政の三大カテゴリーだとして、「掃除」は今回、弱めです。それでも「ハウスメイド+チェインバーメイド」が「掃除」分類なので、16ページぐらい確保してあり、主要な箇所は押さえています。
『THE COUNTRY HOUSE SERVANT』のおかげで、密度の高い本が作れました。次回の「料理系」も、同じ筆者による料理関係の著作物があるので、そちらをメインにして書きます。
そして何気なく、翻訳10p+本文3p+イラスト3p+コラム1p+解説1p+図表1pで計19ページと、裏の最大比率を占めたのが、「制服」でした……友人には内緒です。
ちなみに、その友人からは「ランドリーメイドの小説がいちばん好き」と言ってもらえました。いちばんのネタ勝負だったので、うまく仕上げられたことが嬉しいです。
2003/11/26(水)
『エマ』3巻と、『ヴィクトリアン・ガイド』を読みました。ガイドはコミックスと同じ大きさだったので、少し意外でしたが、書店売りのスペースを考えると、妥当ですね。
一部の構成は、以前日記で予想した「『ヴィクトリア朝百科事典』に森薫さんのイラスト」という予想通りの物でしたが、内容は予想以上でした。
数年前、同人誌を作っていなかった頃ならば「こんな便利な本があるんだったら、同人誌を作らなかったよ」と思ったかもしれません。
実際は自分の興味対象・関心分野と異なる物も多いので、作っていたでしょうが、自分が書けない部分や、作ろうと思って整理できない部分も書いてありました。
書かれている文章から、だいたい、どの本を参考にしているかもわかるぐらいの深淵に落ち込んでいるので、「この本から得る新しい知識」は、自分にとってほとんどありません。
しかし、「整理されて読みやすく、わかりやすくなっていること」、森さんの絵が楽しませてくれる点で、有り難い物です。ロンドン市内のマップとガイドも、素敵です。
「何も原作を知らない人にも推薦できる」資料に仕上げ、さらに言えば、「この分野のどの研究書よりも読者に優しく、値段も安く、最高の一冊」になっていると思います。
「コミックス」に縛られる売り方は勿体無いですね。ヴィクトリア朝関連の資料は値段と敷居が高い本が多く、生活誌的アプローチは少ないので、この一冊が、コミックスだけで終わる売り方にならないことを、願います。
その筋では有名な話ですが、ジェーン・オースティンの『分別と多感』は、映画のタイトルが『いつか晴れた日に』なった途端、映画も原作も売れたそうです。
各書店の歴史コーナーに並べるべきと、本気で思いますし、これが売れなければ、出版社の大きな責任でしょう。ディケンズやその他、イギリス作家の本と絡めて売って欲しいものです。
「筆者の方が、あったら便利」と思って作られている構成で、大学の先生などの専門家が作った物より、圧倒的に便利です。1ページの情報量が多すぎる気もしますが、絵がどのページにも入っていて、いい構成です。
英書の参考文献は阿羅本さんの同人誌や、自分の同人誌で取り上げた、有名どころ(?)の資料が重なっていますね。奇書『THE COUNTRY HOUSE SERVANT』もあります。あれを読んだかと思うと、同情を禁じ得ません……というか、あれに手を出した日本の仲間がいるという事実は、嬉しいです。
和書は自分の知らない本も多くありますし、書かれていないもので、是非にも読んで欲しい本といえば、『ヴィクトリア朝万華鏡』ぐらいですね。
自分が作るスタンスと似ていないところがほとんどなので、今回の本を読んで、今までの原稿を直す部分はありません。その点では助かりました。
このガイド本によって関心を持ち、各メイドを深く知りたい人には、本同人誌は適していると思いますし、本同人誌で解説していない部分(当時のイギリス全体の歴史や、細かいアイテムなど)で、ガイド本はものすごい参考になるでしょう。
ガイド本効果で興味を持つ人が増えるといいなぁと、思います。ただ市販本としては今までに無いほど高いクオリティで、今後、同人のメイドさん資料本への興味や需要が減っていくのではないかとも……
『エマ』3巻は、いい意味で弾けていました。作者の知識が増したのか、或いはようやく書きたいところに辿り付けた、というところで登場人物が生き生きして、作者の楽しさが伝わってきました。あのような「表現する楽しさ」に憧れてしまいます。
2003/11/24(月)
ようやく、「レディーズメイド」「ランドリーメイド」の小説が終了しました。一日以上冷やして、もう一度校正をし、細部の調整をしてから、友人に読んでもらえば、完成です。
長文になりがちな自分にとって、こうした短編(超短編)は、とてもいい勉強になりました。
雰囲気や景色の描写が主なので、起承転結をきちんと作って仕上げられているか微妙ですが、書いている手応えは今までいちばん大きく、前回より成長しているかなと思います。
3巻はその多くが解説で、説明表現に単調さや疲れがあったので、その分、小説は伸び伸び書けたのでしょうか。
限界まで力を出し尽くした達成感もあります。現時点の自分には、これ以上のものは、作れません。のんびりと過ごしつつ、未読の資料を読み込もうと思います。
明日は、『エマ3巻』と『ヴィクトリアン・ガイド』で癒される予定です。
残り作業は蓮野さんのイラストに添える「制服の一日の変遷(絵を見てから書きます)」と、「ハーウッド・ハウスの地図1階・2階」や、「追加する画像資料」の制作です。「変遷」以外は、明日で終わらせます。
その「ハーウッド・ハウス」、有名な和書『英国カントリーハウス物語』に解説が出ていました。それによると「北側の正面へ至る道にはほとんど何も無い珍しい屋敷」という解説がされていました。南側にあるような庭園や綺麗な風景を通り過ぎる趣向が無いそうです。
本当、肩が軽くなりました……夏コミが終わった8月から、結局、11月下旬までの三ヶ月間、カラオケサークルにも行かず、ゲームは少し控え、頑張った甲斐がありました。
しばらくプレッシャーから解放された余韻に浸って、読書三昧の予定です。
2003/11/23(日)
「印刷→校正」を2度ほど繰り返し、なんとか誤字脱字も減ったと思います。内容と分量、締め切りを考え、友人に読んでもらってつかえるところがないかの指摘をお願いしました。
さて、昨日は『エヴァ2』をプレイし、案の定、抜けられなくなりました。一度目のプレイでは劇場版と同一のエンディングでした……
序盤、第四使徒の移動速度が速すぎ、あっさり防衛線を突破された結果、第三新東京市は被害甚大となり、学校が閉鎖しました……それ以降、ずっと地下に潜って、寂しい暮らしでした。
今回はATという感情値があり、人に好意を示されたりすると上昇します。これが一定値無いとエヴァとシンクロ出来ません。なので人に優しい八方美人でプレイしていました。
しかし、最初にプレゼントをくれたのは、日向くんでした……しかも、指輪(泣) 青葉さんから貰ったのは香水袋(泣×2) まだ見ぬカヲルくんからは何をもらえるのでしょうか?
明日の午前中はさすがに、小説書きに集中します。それによく考えると、追加しようと思っていた地図を入れるページが確保できていないような……地図もまだ未完成です。
2003/11/22(土)
懸案だったナースメイドの小説、終わりました! それなりに話になりましたので、満足です。追い詰められた方が、やはりいいものが出来るのでしょうか?
ハウスメイドも勢いで終わらせ、残りは「レディーズ」「ランドリー」だけ、105/108という達成率です。
今日の午前中に抜け落ちていた資料の穴や校正も完了し、出来た分は友人にチェックしてもらうつもりです。
美味しい物は最後にとっておく、ということでランドリーメイドは最後にし、この後、少し『エヴァ2』で遊び、夜にレディーズメイドの仕上げに入ります。
恒例の次回予告は最後までもつれこみそうです。書くだけ書いて使っていない『幕間の劇』があるので、そこから流用しようと思ったのですが、雰囲気が合わず、没です……
今回の新刊は構想期間だけは長かったので、設計はしっかりしていました。元々は2002年に作る予定でしたが、間に合いそうも無いので、その年は上級使用人のみにまとめた2巻を作った経緯があります。
しかし、来年作る4巻はまったくの更地です。資料も小説も空っぽです……「コック」「キッチンメイド」「スカラリーメイド」「デアリーメイド」「スティル・ルームメイド」、そして「メイド・オブ・オールワーク」を書きますが、どうなることやら。
2003/11/21(金)
ナースメイドの小説に着手しました。だいたい6kbと予定分量を書けはしましたが、終わらせられません。話の展開も納得がいかず、悩ましいです。時間があれば書いた後に眠らせて、経過してから手を加えられるのですが、今回はリズムが作れません。
まともに終わったのはチェインバー、パーラーメイドのみで、ハウスメイドは「結」の部分が難しく、どれもこれも中途半端です。連休中に結実させます
校正も並行して開始しましたが、『』と「」の使い方がいいかげんだと気づき、『』は本や映画のタイトルに、「」はそれ以外ということで揃えました。
思ったよりも、内容は整理されていました。詰め込みすぎかなと思いましたが、なんとかなりそうです。
しかし、2巻の次回予告、「家政系」ではなく、思い切り「料理系」の話で困っています。あそこに書いたものはオープニングに持ってくる予定でしたが……何も気にせず、乗っけてしまいます。
そうなると3巻の次回予告に何を持ってくればいいのか……今回はそれが思いつかないのも、厳しいところです。というか、考えるのを忘れていました。
ある程度整えたら、友人たちの検証や意見を貰うつもりです。ページ数が多いので、誤植誤字脱字には気をつけたいものです。特に今回は発行部数を増やし、再版の機会が少ない分、訂正が難しい状態ですから……
予定を邪魔する『エヴァ2』もついに買いましたが、今のところプレイしていません。意志薄弱なので一時間は遊びそうですが、とりあえず小説が終わるまでは…
蓮野さんのイラストは来週に届くはずで、入稿はそれにあわせて11月末になります。連休明けの25日の『エマ3巻』と『ヴィクトリアン・ガイド』で気分転換できればなぁと思います。
2003/11/20(木)
昨日書いた屋敷の地図と、その写真を見直していたところ、気づきました。写真の方の屋敷の全景が実は「裏側」なのではないかと。
使用人エリアの地図と比較していると、「あれ、階段が分かれている方(南側・写真)と、1つしか無い方、どっちが正面なんだ?」と考えさせられたのです。
よくよくネットの地図を見ると、階段ひとつの方に『Entrance Hall』が、階段ふたつの方は『Library』に通じており、この結果、正面玄関は写真の南ではなく、北側と判明しました。
というか、ホームページのいちばん上に出ている画像が正面玄関に決まっているので、気づくべきでした。神殿のような正面、そこに馬車を乗り付けていたんですね。
ですが、屋敷にとって正面玄関が北側にあるというのは意外な感じもします。なんにせよ、あのふたつある階段がライブラリーに通じているというのは、風雅でもあります。
さて、『エヴァ2』はまだ買っていません。真面目に原稿制作に取り組もうと思います…それぐらい、冬新刊の細部での詰め、全体調節が難しそうです。
2003/11/19(水)
ネタ的に厳しいかなと思っていたチェインバーメイドが書き終わりました。あんまりチェインバーではないんですが、寝室を軸にしたエピソードにしています。
ナースメイド以外は仕上げの段階なのですが、やはり後回しにしたものほど、書きにくいです。明日は『新世紀エヴァンゲリオン2』の発売日、買うだけ買って、入稿後に遊ぼうかなと思います。
さて、お屋敷の話です。最近発売された屋敷・貴族・メイド要素のコミックス『アンダーザローズ』を読んでいると、前にナージャで出てきたとふれた『ハーウッドハウス』の外観と、ギャラリーがコミックスに出ていました。これも構図から、『英国貴族の邸宅』の写真からのイラストだと思います。
それで、手元にある他の資料に「この屋敷の地図がないかなぁ」と捜していると、『THE COUNTRY HOUSE KITCHEN』に1階の地図がありました。ただ、使用人エリア専門書なので、他のブロックが「何の部屋か」の情報が無いのが、玉に瑕です。
折角なので、新刊に資料として載せようかと思います。
あと、『Harewood』で検索したら、屋敷のホームページが、さらに体験ツアーには地図までありました。各部屋も見れ、これは便利です。
1700年代後半の地図と比較すると、かなり細部で違っていますが、よく見ると、ネットのは「2階の地図」ではないでしょうか? しかし、2階に「キッチン」があるのもおかしな話です。
もう一度、屋敷の外観を見ると、「エントランスは階段を上った地上2階」にありました。なので、本の地図は1階(実質的に)、ホームページの地図はその階段を上ったエントランスから入った「地上2階」なのではないでしょうか?
いずれにせよ、なぜキッチンが主人たちの寝室と同じ階にあるのか、わかりませんが、2階の地図も1階の地図と比較できるように、自分なりに図を作ってみます。久々に「少しお役立ち?」な話でした。
2003/11/18(火)
なんとか、ランドリーメイドが終わったのでしょうか? これから挿絵やいろいろ資料も追加しないと見栄えが悪いので、思案のしどころです。
小説部分と図表を含めて12ページの宿題ですが、12/108なので、ようやく全体図が見え始めました。ただ、これから読み直して、「脂肪」を殺ぎ落とさないと、読みにくいままです。
いつも入れている屋敷の地図も、さすがに資料が枯渇して、なかなかよさげな物が見つかりませんが、ふたつぐらい追加できそうです。
『カントリーハウスの構造図』のような英書が、本気で欲しいです。
とりあえず今週中に、夏の新刊の再版を行います。なるべく今回は在庫を切らさずに終わりを迎えたい(=最後まで見てくれる人にも入手可能な状態でいたい)ので、全体では前回の倍の数を持っていけたらなぁと、思います。
校正を考えると、やはり11月末がぎりぎりのラインですね。ということは『エマ3巻』と『ヴィクトリアン・ガイド』の影響を受けそうです。締め切りが近いので、「書き直したい!」という気持ちが起きない内容であることを、願います……
2003/11/15(土)
やばいぐらいに、ランドリーメイドの詰めを忘れていました。書ける部分を先に書いた結果、なかなか書けない難しいところのみが残り、愕然としています。
最近、あまり関係の無い創作ネタを思いつき、そこにかまけていたのが敗因です。とりあえず来週いっぱいで小説を含めて、仕上げをしないとまずいですね。
なんだか火がついたような感覚が来ました。これが無くてはいけないのでしょうか?
2003/11/14(金)
ディケンズの『リトル・ドリット』を読み終わりました。様々な展開がありましたが、この本、以前どこかで紹介されていた「心が自虐の方向に向かった美人のガヴァネス」が登場する物語でした。
この人は何かしら人の行為に意味や理由を見出し、ネガティブに考え、ドストエフスキーの『地下室の手記』に影響を与えたのではと言われているそうです。この登場人物が、ある商人の家に勤めるメイドに影響力を行使し、家を飛び立たせるのですが……あまり重要なエピソードではないです。
『荒涼館』のチャーリーほどヒットする話ではありませんが、リトル・ドリットの健気さがなんとも言えない雰囲気で、「ディケンズって女性を主人公にした方が面白いんじゃないの?」という、感想を抱くほどです。
債務者監獄で生まれ、お針子として家族の為に働き、やがて様々な事件で立場が変わるものの、いつまでも彼女は控えめなまま。お針子という立場ですが、メイドさんでもおかしくない控えめさです。
そして、ちくま文庫の巻末には『ブライズヘッド再び』の名前が! もう絶版なんでしょうか? 捜してみるつもりです。あとは、『骨董屋』というディケンズの「薄幸の美少女」モノがあるそうで、それも読んでみようと思います。ディケンズは「少女を主人公にした方が映える」という見当違い?な感想を抱きつつあるこの頃です。
2003/11/12(水)
今日たまたま、19時にMXTV(東京のUHF)を見たら、なんと『名探偵ホームズ』(犬ホームズ)が! 本放送と再放送を細切れで見ていて、再放送のときは「宮崎駿の回がいいよなぁ……」と、脚本家で作品のクオリティがまったく違うのを感じた作品です。
NHKの『ホームズ』=広川太一郎さんと誤解していたのも、このアニメのせいでした。ワトソンは富田耕生さん、警部は飯塚昭三さん、一話だけのシナリオキャラには、神谷明さんが! モリアーティ教授は勿論、大塚周夫さんです!
今日は多分、一話目だったのでしょう。泣きそうでした。
ヴィクトリア朝に興味を持ち出した今の視点で見ると、街並みや風景が「よく描かれているなぁと」と、感心します。来週は『ミセス・ハドソン誘拐事件』なので、ぜひ見なければ……
前にテレビで『新世紀エヴァンゲリオン2』の広告を見て、久々に『ニュータイプ』を買いましたが、ほんの少しの記事で、がっくりしました。
適当に雑誌を眺めていると、『女王陛下のプティアンジェ』という1977〜78年の頃に放送された、「ヴィクトリア女王の信頼を受けた少女探偵アンジェ」というアニメのDVDが紹介されていました。見てみたいです。
さて、今日はパーラーメイドが80%終わりました。創作は一休みして、資料の穴を埋めていきます。
2003/11/11(火)
ようやくエンジンがかかりそうです。昨日から今日にかけて、ハウスメイドのエピソードを書きました。だいたい完了し、ランドリーメイドとレディーズメイドの描写を始めました。これも走れば、明日か明後日には終われそうです。
この3メイド職は比較的、仕事の風景と会話で話を動かせそうで、ナースメイドはその特殊な関係性で絆を描き、パーラーメイドは一発ネタ(一応、まだ伏せておきますが、資料を調べて推測が外れていた哀しいものです)で決まっています。
問題は前にも書いたチェインバーメイド、です。これもネタというか、知識で勝負する物になってしまいそうなのですが、雰囲気を作れたらなぁと思います。
ところで、『Sweet Maid Garden』で発行した制服についての翻訳ですが、意外と好評だったので、新刊3巻の巻末につけようかと検討中です。来年の夏では遅すぎるかなと言う気もしますので……
そうなるともう、ページ数が膨張を続けます。コピー誌からあとがきなどを除くと、10P、今までのものに足すと、108ページになってしまいそうなんですよね。ちょうど夏の外伝1巻2冊分のページ数……討ち死にするぐらいの過剰な内容になりつつあります。
多くの人に読んでもらいたいなぁ、参考になればいいなぁというのが同人誌を発行する上でのスタンスです。完売も嬉しいのですが、出来ればイベント最後まで残ってくれていた人に買っていただけるよう、頑張りたいですね。
この冬。同人誌の内容が最も世間の目が肥えている「メイドさん」にふれていき、また発行部数の面でも、本当の勝負をするときが迫ってきているようです。
2003/11/10(月)
1巻・2巻は昨日持っていけなかった在庫があるものの、冬コミの数が読めません。最初は新刊による新規需要も見込み、また増刷しようと思いましたが、全体での刷り直しの初期投資が、夏の二倍以上!
そうなると「趣味の領域」から出てしまいますので、今回は4冊分の印刷は諦め、夏の新刊の再版と冬の新刊の2冊の印刷に全力投入します。
新刊3巻は「メイドさん解説シリーズ」の上巻となりますが、既刊が無くても、それ一冊で読める内容に仕上げるつもりです。また、1巻・2巻は完売した場合、来年2月のコミティア(申し込みします)やそれ以外のイベント参加時に増刷します。
しかし、ランドリーメイド、気づくと物凄い分量に増加中です。洗濯と言うカテゴリーは掃除よりも遥かに複雑で専門的で、まともに取り上げている今、11ページになりそうで、ページ全体が100ページになる勢いです。
……どうしよう、という気分ですが、詰め込みすぎぐらいが「同人誌の勢い」らしく、ちょうどいいかもしれません。
そろそろ小説も書き始めます。まだ勢いは来ないのですが、少しずつ書きやすいように、キャラ設定を詰めています。印刷数が最大の悩みだったので、それを確定した今、ラストスパートです。
2003/11/09(日)
「今回はオンリー初参加で、イベントも初開催で、当日には大きそうな同系統のイベントがある」とのことで、正直なところ、参加者数は「多いか少ないかの両極端」と思っていました。
そう思いながらも、結局在庫は手での持ちこみになるので、売れ残ったことを考えるとぎりぎりになります。しかし、今回はイベントそのものが想像を超えた人数を集めました。
開場と同時に大手サークルに向かうのか、トレーディングカードを買う人なのかはわかりませんが、目の前を大勢が通り過ぎたかと思うと、当サークルにも人が来て下さり、最初の40分で1巻が無くなり、唯一残った2巻も13時には完売しました。
13時からの1時間は、見て下さる方の為に見本誌を残していましたが、やはり在庫がないと「どうぞご覧下さい」とは声を掛けにくく、14時に撤退しました。
嬉しい悲鳴と言うのか、状況を認識しきれないうちに終わっていたと言うのが実感ですが、毎度毎度ながら、「自分では多く持っていっているつもり」でも、予想を上回ります。
前回のコミケでは2巻だけが先に売れたり、やや不均衡な売れ方をしました。なので今回は2巻を多めに持っていきましたが、コミケのときは別のところを見ていた方たちが「オンリーだからこそ」見てくれる感じで、読み違えました。
既刊全巻買いの人が多く、またしても数が揃いませんでした。本当に、すみません。
冬コミには受かっていますので、今回無かった分、刷っていない物も持ち込み、揃える予定ですが、毎度の事ながら参加する度におっかなびっくり増やしているものの、ジャンルにおける需要の限界・天井が見えません。
次は冒険します(あくまでも自分なりのですが)
今回に限っては当サークル以外の方も、状況は同じだったようです。13時ぐらいに1周しましたが、ほとんどのサークルで完売状態でした。
オンリー初参加の自分が言うのもなんですが、今回はスタッフの手際がよく、非常にうまく会場内の人をコントロールしていたように思えます。サークルとしても参加しやすく、いい体験が出来ました。おつかれさまでした。
明日からは冬コミ原稿の仕上げに入ります。今日は本当にありがとうございました。
2003/11/08(土)午後
今日がコミケの当落通知の配送開始日だったのですが、当日に届いていました。今までに無いほど迅速な感じです。これも選挙が影響しているのか?などと考えつつ、封を開けると、当選していました!
前回は幸いにも「悪い意味での人の流れにぶつからないお誕生日」でしたが、今回は「悪い意味での(=3日目のダッシュする人たちが通る)大通り」を目の前にする外側(ちょうど反対側に壁際の大手がある)なので、物理的にも地形効果が極めて危険そうです。
前回だと足を止めて本を読んでくれる人が多かったのですが、今回は少し難しそうですね。創作はジャンルだけではなく、「創作」という部分で読んでくれる人が多く、前回の反省から見本誌を2冊にする予定ですが、またしても未知の領域に……
「前回を教訓に」と経験を頼りにしようとしても、毎回、形態や状況が違うので、本当にどうなるのかなぁと、不安でもあり、楽しみでもあります。懸念した郵便事故は無かったようで、とりあえず喜びをエネルギーに、新刊を出します。
2003/11/08(土)午前
蓮野さんからイメージボードをいただきました。封筒を開けて取り出すときに、綺麗過ぎて、一度しまって、もう一度取り出すというぐらい、驚きました。

昔からうまかったのですが、また向上している感じで、見習いたいなぁと思います。いつか、蓮野さんのカラー表紙で同人誌を作りたいものです。
イラストは、ハウスキーパー付きのスティルルームメイドなのか、パーラーメイドなのか、曖昧な「ロレッタ」が宣伝用の板(サークル名・スペースを記入)を持っています。
もうひとりは「シャハ」です。主人公ジョアンが継ぐことになったネザーフィールド侯爵の先代レオンの娘です。ジョアンの従姉で、三歳年上の設定です。
ということで、全身の細胞が臨戦体勢になりました。色使いは明るめで、デザインも蓮野さんの描きやすい・見栄えの良い物をお願いし、時代考証より優先しています。
何度も書いたかもしれませんが、時代考証を真面目にやると現代と美的感覚が異なり、大変です。当時のエプロンの写真を見たことがあれば、その「デザイン」には、いろいろな意味でびびります。
歴史書物で無い限り、フィクションにおける時代考証は、「わかっていて無視する。より気持ちいいフィクション・舞台設定を採用する」という断りさえつけておけば、いいと思います。
風呂や衛生観念、衣服の清潔さ、トイレなどにおける創作の「嘘」は許容されるのと同様、面白かったり、綺麗ならば、その時代に「厳密には無いけれど、雰囲気が壊れていなければあり」だと思っています。
自分で物を書くときの言い訳に過ぎないんですが、知識と物語の面白さは、また別物です。どちらかというと才能の要る後者の面白さを追求したいです。
今はその裏づけになる資料本の作成で経験を積んでいる途上ですが、この同人誌制作も、知識を広げると同時に、イメージを掴む為の参考になればと、創作や映画をなるべく取り上げています。
話は変わりますが、昨日のテレビで『マーキュリー・ライジング』という映画をやりました。この映画は思い出深いもので、公開当時に見ました。
当時、何か有名な映画も上映していたのですが、あえてこちらを選び、後悔し、見ている途中でそのつまらなさに腹が立ちました。つまらなくて「うわぁ」と思うのはたまにありますが、腹が立ったのは生まれて初めてでした。
あまりに腹が立ったので、二周目を途中まで見ながら、「どうしてつまらないか」を、ノートにメモするぐらいでした。あとにも先にも、映画館であのような行動に出たのは、この映画だけです。当然のように、昨日も見ていません。
同じではないですが、『ひどい・騙された』と思った最初の作品は、友人に連れて行かれた『ウォーター○ーン(水月)』という長渕剛の映画でした。
当時中学生ながら、見終わった後、仲間の誰もが逃げるように映画館を出ました。感想を言い合う光景などありません。しばらくしてからようやく「金返せ」と思ったぐらい、衝撃的でした。
大学時代に友人を誘った映画には外れが多く(友人を誘うぐらいの名作ではなかった)、『D&D』の時は慰めてもらったほどです。あぁ、なんかマイナスな話でしたね、すいません。
明日は頑張ろう!ということでイラストを見直します。
2003/11/07(金)
コピー誌を印刷しましたが、やや斜めになっている部分が。無料なので勘弁してください、という状態です。不器用なので、折り目・ホチキスも心配です。きちんと夏のオフセット新刊に追加して、再掲載をしようかと思います。
ボードのイラストは蓮野さんより送ったと連絡があり、明日に届きそうです。それを加工して、ほとんど準備は完了です。
日曜日は雨が降るかもしれないとのことで、荷物を軽くして帰りたいなぁと……。いずれにせよ本を手に取ってくださった方にとって、役立つ物であることを願っています。10時入場なのでコミケのときほど朝の緊張は無いのですが、眠れるといいなぁと思います。
あと、参加サークルのページをいろいろとのぞきましたが、『綾瀬院流道場 香路庵』さんのところに、奉仕会館への写真つき地図がありました。これで迷わずに行けそうです。
2003/11/06(木)
小説部分がまったく進んでいないというか、意欲が起こらない状態です。全部舞台設定やネタ、話の流れ、道場人物まで決まっているものの、「弾み」がつかないので困っています。
これはもしかすると「冬コミの当落通知を見てからでいいんじゃないの?」という内なる声の力なのでしょうか? 受かったのを知った後の「尻に火がつく」熱気が無いのが、駄目なんでしょうか。去年は胃が痛くなるような感じもありましたからね……あのギリギリ感を待っている気もします。
と言いながら、時間のかかる資料編はあと少しという段階なので、燃え尽きてしまっただけかもしれませんが。
イラストをお願いしている蓮野さんに電話したところ、オンリーイベント用のカラーのボードは今日色を塗って、明日の朝に送ってくれるそうです。いつもありがとうございます。久我が絵を描けないので、本当に助かっています。
あと3日と迫ってきました。当日は『コスチュームカフェ』というイベントとぶつかるらしいのですが、成功して次回も開催されるといいですね。冬コミの次は来年2月の『コミティア』進出を考えています。
2003/11/05(水)
いよいよ今週末はオンリーイベントですが、あとは新刊コピーだけです。
先週に引き続き、ディケンズの長編を借りました。今回は『リトル・ドリット』。またしても使用人は大勢出てくるようですが、まだ最初しか読んでいません。それなりにハッピーエンドっぽくて、安心して読めるのが、大作家の大作家たるゆえんなのでしょうか。
さて、タイトルはここまでです。
11/03にはTBSで塩野七生さんの番組がやっていました。高校時代に読売新聞の寸評か手帳か忘れましたが、その辺に『マキアヴェッリ語録』の紹介があり、面白そうなので買ったのが出会いでした。
以降、高校と地元の図書館ですべての刊行書籍を読み耽りました。当時は若かったのでクリスティの文庫全部読みにも挑戦しましたが、司馬さんの全部読みは『街道をゆく』シリーズで堰き止められ、十冊ぐらいで挫けました。
そして高校の図書館では、二巻まで出ていた(はずの)『ローマ人の物語』に出会いました。大学時代には連載の載っていた雑誌を定期購読し、講演会も聞きに行きました。(三者の作家対談で、あまり面白くなかったですが)
一年に一冊という発行周期で、既に十一冊、今年の冬にも十二巻が出るそうです。近頃テレビに出てきますが、もう老いを感じてしまいます。せめて完結までの三年を、というほどには年とは思いませんが、なんとなく寂しかったです。
自分が物を書きたいと思うようになった契機ともなる、尊敬する作家のひとりです。最近は『ロードス島攻防記』を読み直しましたが、また『ローマ人』も読みたくなりました。確か前回の新刊が出たときは、昼休みに買ったのですが堪えきれず、夕方に休憩を取れる制度を利用して、一時間ぐらい会社の外の喫茶店で読みました。
サークル名の『SPQR』は、「Senatus Populusque Romanus」、「元老院並びにローマ市民」の略語で、そこから貰っています。もっとも、ヴィクトリア朝なのになぜ『ローマ』なのかは、いろいろな事情がありますが、内緒です。
2003/11/03(月)
奇書『THE COUNTRY HOUSE SERVANT』との苦闘は、日記を始めからお読み下されば共感していただけると思うのですが、この本は、本当にものすごい分量・内容・密度でランドリーメイドにふれています。(表記の「ラウンドリー」を以降、「ランドリー」に統一)。
洗濯方法で1章、洗濯施設で1章、洗濯道具で1章など、和書で読んでいても眠くなりそうな内容を英書でやられては作業がはかどらず、その辺りで最後まで読まずにいましたが、次の章が「マネージメント」であり、ここ数日、力をいれて読みました。
その結果、書こうと思っていたランドリーメイドの内容が非常に皮相的だと悟らされました。ランドリーメイドは「屋敷で洗濯を手伝うメイドの一種」という、単純な括りでは括りきれないものだったのです。
なぜ筆者がこれほどまでにランドリーメイドにこだわっていたのかを、この章を読むことで、ようやく知ることが出来ました。読者が望んでいるかは別としても、これについてふれるのがマイナー同人誌としての矜持と思い、文章に織り込んでいます。
今までの認識のランドリーメイドは「洗濯を屋敷内で行う」人でしたが、それ以外のランドリーメイドこそが、この本の筆者が語りたかったメイドなのです。
簡単に言うと、筆者の語る「もうひとつのランドリーメイド」は、「メイド」ですが、屋敷内スタッフではなく、洗濯専門の建物内で働き、時代が進むと、さらに屋敷から離れた「ロッジ」で数名で働き、食事から掃除までのすべてを自分たちで行っていたのです。この場合は「アウトドア・スタッフ」と見なされました。
そこには専門の「キッチン」「寝室」を備え、小さなひとつの「屋敷」でした。彼女たちは他の室内使用人とほとんど接触を持たず、ハウスキーパーの管理下にも無く、また主人たちとの接触も限られ、自由でした。チームワークも大切にし、職場の雰囲気も笑い声や歌が飛び交うという、考えにくい物でした。
さらに、「独立」するロッジもあり、複数の顧客を自分たちで確保して、売上を分配した会社のような形態での運営も行われました。このランドリーメイドは、現代でも「クリーニング屋」を我々が必要とする例からわかるように、「洗濯」という特殊なスキルを持つが故に、第二次大戦後も生き残りました。
「使用人だけの生活圏・屋敷」は馬丁のいる厩舎や、庭師たちの宿舎などにも見られたもので、屋敷の需要を満たしながらも、屋敷内部の使用人とは異なり、その専門性ゆえに、「主人に隷従する」という使用人独自の環境から、比較的自由だったのです。
英書『Country House Life』には、主人たちにサービスする代表格で、男性の従僕(フットマン)の自殺率が高かったと記されていますが、「馬」「庭」「洗濯物」を扱うプロフェッショナルな人々は、そうした「葛藤」に直面しないで済んだと、考えられています。
長くなりましたが、今はこうした視点を織り込みつつ、「洗濯の歴史・必要性」「布の種類」を書こうとしているので、長くなっています。92ページで、固まりそうです。
そしてここまで書きながら、ランドリーメイド解説はまだ書き終わっていません……
2003/11/01(土)
ようやくハウスメイドが終了しました。仕事内容が多く、チェインバーメイドと合算すると解説と図表で11ページになってしまいました。削減を行うとしても、今回は今までの1巻・84Pを上回る92ページになりそうな台割となりました。
イラストや表紙裏の空白を除けば、残り作業ページは21ページ程度です。ラウンドリーメイドは「洗い方の知識」は多いものの、カントリーハウスに常駐するラウンドリーメイドのマネージメントの部分をあまり読んでいなかったので、少し時間がかかりそうですが、この連休で仕上がるでしょう。
問題は小説です。今のところそれぞれの舞台設定・登場人物・話の筋立てを決めた程度で、勢いがつけばすぐ終わりますが、最近は別の創作も手を出していて、なかなか気持ちがそれだけには向きません。
一応、入稿は印刷所の予約がいらない11月20日前後を考えています。蓮野さんも夏コミ以降、連続的に週末は自身のジャンルのイベントに出撃して、作業時間の都合が難しいです。
その上、今はオンリーイベントで使うカラーボードも頼んでいて、11月下旬までに揃えばラッキーというところでしょうか。自分の同人誌を彩ってもらえて、いつもありがたいことです。
そういえば『荒涼館』を読み終わりましたが、何気なく「チャーリー(シャーリー)」の妹は「エマ」でした。終わり方はディケンズらしい「大団円」で、よかったです。
「文学系メイドさん1位認定」(『かのように』の「雪」は2位にダウン)のチャーリーを発掘できたので、大満足でした。
訳者あとがきを読んで気づいたんですが、ディケンズの影響を受けた作家には「オーウェル」と「ドストエフスキー」がいます。どちらの作家も大好きなんですよね。なので、実はディケンズ万歳な自分がいたのかもしれません。今までの失言・無礼の言葉、ディケンズ先生お許しください。
|