[参考資料]図説 イギリスの歴史

図説 イギリスの歴史 (ふくろうの本)

著者/訳者:指 昭博

出版社:河出書房新社( 2002-02 )

単行本 ( 159 ページ )


ゼロからイギリスの歴史を知りたい、という方にオススメできるのが本書です。コストパフォーマンスと初心者への敷居の低さは、素晴らしいものがあります。河出書房新社の「図説」シリーズはそのタイトルに恥じず、本当に豊富な写真やイラストが掲載されていて、テキストだけでは想起できない多くの情報を伝えてくれます。

読み始める敷居は低いのですが、内容が浅いわけではありません。たとえば「スペインの無敵艦隊を破ったからイギリスは制海権を握った」という通説に対する現代の評価として、「実際はそうではなく、神話化されていったプロセス」を紹介しています。

一般に受け入れられる「通説」で研究者の意見が分かれるものは多く、「18~19世紀の囲い込みの影響で農業労働者が勃興する産業革命の労働者に転化した」ことや、「産業革命で国全体が豊かになった」ことについても、それぞれ影響は限定的なもので地域によって差があるとして論駁する研究成果が発表されるなど、過去の時代を描き出すことはことです。

そうした話はさておき、とにかく写真や地図が多く、今まで読んだイギリス関係の歴史書の中では最も「目に訴えて」きます。どの時代に何があったのかを把握しやすく、時代ごとの服装や社会や文化の違いが目に見えるので、イギリスの歴史ファンに限らず、イギリスの諸作品(特に文学)が好きな方にも適しています。