[映画/ドラマ/映像]ナニー・マクフィーの魔法のステッキ


『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』は、母を失い、甘やかされた子供たちが次々とナースメイドを追い出し、父親を困らせるところにナニー・マクフィーがあらわれて、みんなを幸せへと導く童話のような世界です。

子供向けのエンタテインメント、といった感じで、素直に面白かったです。色彩がややどぎつく、純粋な「ヴィクトリアン」という感じではありませんが、それぞれに意味があって、綺麗な映像に仕上げています。私は村上リコの本棚/『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』を読んで、このDVDを買いました。

今回の心の主役はメイドで、ケリー・マクドナルドが演じます。『ゴスフォード・パーク』でマギー・スミス扮する伯爵夫人に仕えたメイド役や、『ネバーランド』でピーター・パンを演じたりしています。

役割はスカラリーメイドで、ナニーを追い出そうとする子供たちも彼女には甘く、むしろ、字が読めない彼女に教育を施す、本を貸す、という描写もあったり、そういう点では「子供の味方」というメイド像を体現しつつ、物語の中でも重要な役割を果たしました。

ナニー役はエマ・トンプソン(『いつか晴れた日に』)、子供たちの父役はコリン・ファース(『高慢と偏見』『ブリジット・ジョーンズの日記』)など、日本でおなじみのイギリス俳優も主要キャラクターとして出演しており、いい味を出しています。子供と一緒に楽しめる、ファミリー向け作品です。

映画は字幕+英語で聞くと面白いです。翻訳で落とされている微妙な情報が、『エマ』などでヴィクトリア朝になれている方にとっては、ぐぐっと来ますので。

他に細かいネタですが、ちょうど『Victorian Kitchen』を見ていた時期なので、登場した「大きな銅の蓋つき鍋」にはちょっとびっくりです。巨大な銅の鍋、その蓋は凹んでいます。その凹んだ部分に燃え盛る石炭を詰め込んで、中の料理を仕上げるのです。こういう使い方が見えるのも面白いですね。

※上記感想は過去に日記に書いた感想『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ(2006/10/01)より再構成しています。