[映画/ドラマ/映像]バジル


『バジル』はヴィクトリア朝の著名な作家ウィルキー・コリンズの小説『バジル』(1852年)を映画化した作品です。ヴィクトリア朝期の貴族階級の親子を主人公にして、ある事件をきっかけに息子バジル(Basil)と父フレデリックが訣別し、歳月を経て家族の絆を取り戻していく物語です。

この映画ではバジルの兄(長男)が牧師の娘を恋愛の末に妊娠させ、身分違いで「不道徳」な行いから、父の不興を買い、荒れた領地へ放逐されます。娘は未婚のまま子を宿し、家族は揃って村から除け者にされ、娘はひとりで出産し、子供と一緒に産褥の中で死にます。

次男である主人公は、兄の失敗を見ていたものの、命を助けてくれたことで友人となった男ジョン・マニヨンを介して、商人階級の娘に恋をします。結婚の約束をして、屋敷Windermere Hallを譲るとも言い、父に内緒で結婚します。

しかし、主人公は結婚を隠したものの、結果的にばれてしまい、同じように父に見放されて、肉体労働者として生きなければならなくなりました。財産を相続して自立した財源を得るまで、将来の後継者といえども父親の意向に逆らえません。

主人公は勤務経験も無く、彼にふさわしい職場に面接に行っても、その会社は名士である彼の父に睨まれたくないので、拒否しますし、父に謝罪することを勧めていました。しかし、主人公は父の言うことに従いませんでした。

話の筋が面白く、登場人物の伏線もしっかりしているので細かい紹介や結末は書きませんが、舞台や衣装が非常に綺麗です。

細かいシーンも再現されていて、幼少期は屋敷にゲスト(見学者)が来ても子供たちは顔を見せないこと、食事では父親が肉を切る役目を担うシーンもありました。また、母親が病弱だった為に、父親がメイドに手を出し、それを息子に目撃されるという衝撃的エピソードもあります。

関連作品

ウィルキー・コリンズによる原作が載っている本です。