制作日記


2004/02/28(土)

長くて、ごめんなさい。以下は『Upstairs Downstairs』のあらすじです。

勢いのままに第八話『Why is Her Door Locked』。朝、コックのミセス・ブリジッドが部屋に鍵をかけたまま、出てきません。エミリーの死が堪え、姿を見せても情緒不安定のまま。

彼女が厨房にいるとき、他のメイドが部屋の前を通り、何かの物音を聞きます。ミスター・ハドソンと共に部屋の鍵を開けるとそこには、なんと赤ん坊が!

ミセス・ブリジッドは誘拐事件を起こしていたのです。主人と執事が尽力し、赤ん坊の両親を見つけます。ベレミー氏は穏便に済ませようと、夫婦揃って赤ん坊の親のところに行きますが、子供の父親は警察に告訴すると言い、次の日に、ミセス・ブリジッドは逮捕されます。

その後、ミスター・ハドソンの何かしらの秘密が明かされ(聞き取れません)、赤子の父親の説得や裁判の席での立派な振る舞いなど、非凡な姿が見られます。執事スキーにはたまらない展開です。

メイドの死によってミセス・ブリジッドの情緒が不安定だったことが認められ、(多分)執行猶予付きの軽い判決が下され、屋敷で再び、彼女は働けるようになりました。

第十話『A Voice from the Past』では、このところ慈善事業に夢中の長女エリザベスが、友人と共に慈善施設で給食の手伝いをします。そこに兄ジェームズも戸惑いながらいきますが、なんとそこで、あのメイド、「セーラ」に出会うのです。

彼女は咳き込みながら、汚れた身なり、まるで娼婦のような格好(売れない役者らしいのですが)で登場します。再開を果たしたふたりの様子に気づき、エリザベスはセーラを再雇用することを決めます。

一度は屋敷を抜け出したセーラはアンダーパーラーメイドから、スカラリーメイドで出直しますが、相変わらずのトラブルメーカー。不平ばかり並べ立てますが、ローズと旧交を温めます。
エリザベスとジェームズは基本的に、両親があまりいない時に屋敷に戻ってくるようです。屋敷にはミスター・ハドソンがいませんし、ハウスキーパーも姿を消しています。

そんなこんなでトラブルを引き起こすセーラは、「交霊術」を始めだし、死んだエミリーの霊を呼び出すといって、他の使用人に自分を認めさせることに成功します。(こういうところが大嫌いですが)

母親の霊を呼び出して欲しいと言う、ハウスメイドのアリスがセーラの詐術に気づきます。傷ついた彼女は結局、屋敷を出て行ってしまったようで、セーラはまんまと元の地位を取り戻しました。


そのセーラに、盗難疑惑がかかるのが第十一話『The Swedish Tiger』です。兄なのか、例のメイドを妊娠させた息子?が勝手に屋敷に上がりこみ、家の中の装飾品を盗みまくり、その罪をメイドに着せるという話です。

ところが困ったことに、今回はかなりリスニングが重要な要素になってきて、細かいニュアンスを聞き取れないので、何が何だかわかりませんでしたが、セーラの「やかましさ」が好きではないので、良しとします。エミリーの死を茶化したようで、彼女はいただけません。

第十二話『The Key of the Door』ではエリザベスが平等思想にかぶれる若者サークルに夢中になり(思想もありますが、その中心人物の男に惚れているのが大きな要素)、家族と対立します。

家に客人を招き、平等思想を語りながらも使用人たちに大量の食事と酒を給仕させる矛盾(今までで最もこき使われていました)に気づかない彼らを描きながら、そこに両親が帰宅し、彼らは追い出されます。

しかし友人から重要に思われたいエリザベスは両親に向かって、「友人に謝罪しろ」と要求します。その上、「靴を履いていないスラムの子供」の為に靴を買い与える為に、彼ら子供を連れて、靴屋に行きますが、持ち合わせが無く、父親の世話になります。

誕生日?の準備を屋敷中でしていたようですが、エリザベスはそれを無視して、仲間たちの下に行ってしまいます。

挙句、家を飛び出します。「何もしない他人」を責めながら、自分自身は豊かな生活を捨てられず、両親に甘えています。仲間たちも、「両家の子弟」という感じです。

「きっとお金を騙し取られるんだろうなぁ」と思ってみていましたのは、「ドストエフスキーの『虐げられた人々』を連想したからです。同じような、世の中を良くしていけるという若者のサークルがあり、彼らは「仲間の少女が相続するはずのお金」で世界をどう変えていくのかを、真剣に話し合うのです。

そして第一部の最終話では、パーラーメイドのローズが職務を放棄して、家を飛び出したエリザベスの為に荷物を持っていきます。そこでエリザベスはローズを「友人」と紹介しますが、「私はパーラーメイド」だと、ローズは主張して、ここに温度差が存在しています。

さらに、いつのまにかセーラは「人気の舞台女優」になっていて、ダンスと歌を披露して、楽屋にはジェームズが足を運び、ふたりの交流は続きます。

細かいニュアンスがわからないのですが、この後、エリザベスが憧れる(同居している?)男は彼女の屋敷を訪れて、ベレミー夫妻と話します。何を話したかわからなかったのですが、話が後半になって、なんと「結婚」を申し込んでいたのが判明します。結局、この青年が何者かはわかりませんが、立派な身なりから、金持ちの息子なんでしょう。

使用人一同は結婚を祝してエリザベスに時計を贈り、次の日には全員が着飾って、エリザベスの結婚式へと向かいます(使用人は教会の二階席)

1908年、この時代の結婚式の模様が描かれます。花嫁が自宅で着替え、父親に付き添われて、幸せな結婚式になるかと思いきや。

またセーラです。しかも、1階席。

人目を引く格好で現れ、騒ぎの予感が。

しますが、特に問題も無く、結婚式後の披露宴が開催される屋敷、その地下で昔の仲間と騒ぐだけです。騒ぎすぎてミスター・ハドソンに怒られますが、ミスター・ハドソンは「セーラが屋敷に客人として迎えられている」ことを思い出し、言葉をあらため、「上の階に戻るように」と諭されます。

そこにジェームズが現れ、ふたりは手を繋いで去っていきます。(元)メイドと主人との恋なのですが、あまりにもセーラに感情移入できないので、まったく話に期待できません。次回シリーズにも続きそうで、ローズ&ミスター・ハドソンに期待するしかありません。

ストーリーと関係ない話ですが、元々は白黒だった映像を着色しているようです。中には色がついていない回もありますが。

また、第一シリーズ最終話と同じディスクには「25周年記念」の特別ディスクが入っています。いきなり、フットマンを歩かせて、「引きずるように歩くな、ソフトに」と厳しい顔で説教するミスター・ハドソン。

それからは過去の出演者へのインタビューになります。みな綺麗に年を取った感じで、いい顔をしています。そしてインタビューの長さから、主役がローズだったと判明しました。

簡単にあらすじだけを追いましたが、「ジェームズとメイド出身・セーラの身分違いの恋」「ローズとお嬢様エリザベスの関係性」「執事ミスター・ハドソンの忠誠心」、このみっつが主軸になっているようです。

そして、記念ディスクに差し込まれる今後のシーンには、綺麗なメイドも出てくるようで、期待しています。もしかしたら、「これからが本編」かもしれません。

というかセーラ、普通にメイドの姿をしているんですが。いったいどういう展開になるんでしょうか?
2004/02/27(金)

忘れないうちに、感想をメモしておきます。まず始めに、『Upstairs&Downstairs』はベレミー家を舞台にした、主人と使用人たちのドラマです。1960年代に放送され、全5シリーズ68話まで放送され、一億人が視聴したとのことです。

1904年・日露戦争の頃から始まります。第一話『On Trial』はメイドの少女セーラが雇われ、仲間として認められていくまでの話です。二話目『The Mistress and the Maids』では、女主人の絵を描きに来た画家に誘われて絵のモデルになりますが、画家は彼女をモデルにヌードを描き、大きなスキャンダルになります。

ほとんど自分で危機を招き、わがままの限りを尽くす野性的・自分本位のこのメイドが好きにはなれません。

第三話『Board Wages』はタイトルで内容がわかる人は『マニア』です。「賄いつきの賃金」という意味ですが、主人たちがいない間の賃金というニュアンスを含みます。

ここで使用人たちは友人を連れこみ、主人たちのいない階上に乗り込みます。次第に行動がエスカレートして、ついには主人たちの服や装飾品を勝手に身につけ、パーティを始めます。そこに息子のジェームズが帰宅して、事情が変わります。長男はわざと執事の役を演じて使用人たちを酔い潰し、悪ふざけを終わらせます。

しかし、この長男はメイドの少女に言いより、少女は彼の使用人を馬鹿にした態度が気に入らずにか、屋敷を出て行ってしまいます。主人公だと思ったこの子は、第四話以降、出てきません。

第四話『The Path of Duty』はベレミー家の長女の帰宅から始まります。彼女は社交界に出る為の準備をしますが、当人は乗り気ではありません。大事な舞台の途中で彼女は逃げ出してしまい、深夜になってようやく帰宅し、パーラーメイドのローズに諭されます。

第五話『A suitable Marriage』は「ふさわしい結婚」、この長女がドイツの男爵と恋に落ちます。男爵との結婚を夢見、故国を捨てる覚悟さえもしますが、この男爵には秘密がありました。

パーティでベレミー家に泊まる男爵。世話に来た従僕アルフレドは男爵の香水を勝手に使いました。男爵は腹を立て、蹴りを入れますが、許されたアルフレドが手にキスをすると……

しばらくしてその部屋を訪れたローズは、「着衣が乱れて慌てる」ふたりを目撃し、泣き出します。この話が主人にまで伝わり、アルフレドは解雇されそうになります。アルフレドは男爵に救いを求め、ふたりは駆け落ち同然、パーティの最中に姿を消します。残されたのはお嬢様ひとり……

第三話の『主人たちの衣服を着る』ところで「やりすぎだろう」と思っていましたが、まだまだそんなものではありません。すさまじい勢いで展開していきます。

第六話『A Cry for Help』では新しいメイドと従僕が雇われています。しかし、このメイドが主人のベレミー氏のいる部屋で、暖炉を掃除しているときに泣き出してから、事件が起こります。泣き出した事情をベレミー氏は知りたがり、執事のハドソン氏に聞きますが、それは明かされません。

深夜に、もう一度、泣いた彼女に出くわし、ベレミー氏は彼女が妊娠しているのを知ります。その光景をハウスキーパーに目撃されますが。その後、ベレミー氏は孕ませた男が、「次男(?初登場・聞き取れずにわかりませんが、赤ん坊の子供はyour sonと言った気がしました)」と判明し、真面目なベレミー氏は責任を感じます。

しかし、息子(?)は父と意見でぶつかり合い、責任を取ろうともしませんし、罪の自覚もありません。弁護士らしき人も友人のベレミー氏を説得し、メイドに対して何かしようなんて、無理をすることはないと諭します。ベレミー氏の弁護士が渡したお金を受け取らず、メイドは屋敷を出て行きます。使用人たちは彼女に餞別を渡して、見送りました……

既にお腹いっぱいの展開・緊張感ありまくりですが、まだまだ話は終わりません。第七話『Magic Casements』で、長男が友人を家に連れてきます。この青年とベレミー夫人が恋に落ち、あっさりと肉体関係になるのです。

使用人たちの間でも話題になり、執事のミスター・ハドソンは主人の側に立ち、噂をする他の使用人を戒めていますが……やがてベレミー氏は夫人の不倫に気づいてしまいます。夫人は不倫を終わらせ、夫婦仲のよい姿を見届け、満足そうな笑みを浮かべるミスター・ハドソン。執事の鑑です。

屋敷に平和が戻ってきたように思えましたが、次の第八話のタイトルは『I died from love』。「不倫の続きかなぁ」「死ぬほど恋する話」程度に思っていたのですが、あまりの急展開に泣きました。

第一話から登場している、少し要領が悪く臆病なキッチンメイドのエミリー。彼女は屋敷に来る客人の御者に恋をして、交際が始まります。しかし御者の主人がこの恋に気づいてか、交際が禁じられます。恋焦がれるあまりに泣き暮らすエミリー。そして、主人たちが企画した『使用人たちの為のバザール』の日、事件が起きます……

まさか、こんな展開になるとは予想していませんでした。悪ふざけのコメディ路線化と思いきや、かなりシリアスな進行です。とりあえず、今日までにDVD2枚、8話の観賞を終えました。登場人物の入れ替わりが予想以上です。

使用人や主人に起こりえるエピソードを詰め込み、どこまでも全速力で突っ走っていきます。さすがイギリス(『モンティ・パイソン』『レッドドワーフ号』の国)、という感じがします。「次回は一体どうなるのでしょうか、目が離せません」、と思いながら放映当時の人は見ていたんでしょうね。

シリーズを追うごとに質が低下していくのが自然ですが、このまま終わりまで行って欲しい物です。とりあえず来週ぐらいには第一シリーズをコンプリートしたいです。
2004/02/22(日)

今日はコミティアに参加してきました。実際に手にとって下さった方、買って下さった方、そして新刊を目当てに来ていただいた方には、感謝しております。

今回は初参加でした。「冬コミと違った層を開拓できるだろう」「手にとってさえ貰えれば……」という観測、今までにコミケやオンリーイベントで一部が完売した経験から、「完売しない数」と考え、前に書いた部数を持ち込みました。

しかし、スペースにいざダンボールを持ち込むと、コミケよりも「圧倒的にスペースが無い」ので、置き場所に困りました。『ティアズマガジン』で実売部数や持込部数の指標が出ていて、コミケと違うことは理解していましたが、それでも「手にとってもらえるだろう」と思っていました。

しかし人通りそのものが少なく、通ったとしても、本を手にとってもらいやすいような「お客さんの流れ」ではありませんでした。

「無料だから印刷数が多くて配布しきれるだろう」と思った新刊も、いざ会場に行くと受け取ってもらいにくいという、厳しい現実に直面しました。今回の新刊は「既刊の補完」なので、ゼロから見れば、「尖がっていません」。

読んで下さった上で買っていただけないとしても、「読んでいただける満足」は残ります。しかし今回は「ほとんど読んでもらえない」状況でした。

一応、次回も参加するつもりですが、今回の反省から、部数は絞ります。ジャンルもコミケと同じ、創作少年に近いところに戻します。

買って下さったほとんどの方が、「既刊全冊」を買って下さったので、当初の目的である「読者層の拡大」を果たせたのが明るい材料です。地形効果も何も無い状況でのスタートとしては、いい形でしょう。ただ次回には新刊を用意できませんので、もしかしたら委託にするかもしれません。

夏コミに受かっていた場合は、今回残った新刊を大量に持っていけます。また、この新刊に掲載している小説は完全に在庫がなくなってからは、サイトに掲載します。さらに短編小説シリーズは、「配りきれなかった」現状から、しばらく凍結します。

最後にイベントそのものへの感想ですが、一般参加側にとっては、最高にいい環境ですね。今まで数年間、コミケに来ていながら同人誌を買っていなかった友人(初参加)も、かなりの冊数を買っていました。自分自身もここ数年は1〜2冊しか買っていないのですが、サークルカットで響き、『ティアズマガジン』で紹介されたサークルの本を買いました。

短編・1話完結でページ数は少ないのですが、絵が好きで、話もさらっとして無駄が無く、心に響きました。こういう方法論での短編を次回は用意したいと、インスパイアされました。なんだか久しぶりに、純粋にいい「作品」と出会いました。
2004/02/18(火)

「制作に集中する」と言いながら、根を詰めすぎての作業は無理でした。冬の新刊・本編は1年かけて作り、冬の為の資料のまとめを夏に行う、というのがいい流れのようです。夏の方が場の勢いが大きいので、本編の発行はその方が望ましいですが、気が続きませんでした。

早くできる分には早くできた方がいいということで、努力はします。

まずコミティアですが、無料配布する冊子が届きました。宅急便事故が無い限り200冊、事故った場合は20冊になります。次回使ってみようかという色合いを試してみましたが、会場で見るとどうなのかなぁという感じですね。

ついでではないですが、『ティアズマガジン』(コミティアのパンフレット)も買いました。前に後輩から借りた時よりも、全体の内容が薄い感じでしたが、読み物として純粋に面白く、前に参加したサークルの本への感想が掲載されていますので、気になるサークルを掘り出しやすい感じがします。

次回にマガジンに載れたらいいですねぇ、というか、あぁいう形で感想を読めたら、幸せそうです。

別件では、ついにDVD『Upstairs Downstairs』のBOXを入手しました。これは1904年から始まる何世代かに渡るイギリスの屋敷(都市)と主人と使用人のドラマです。第五シリーズ・全68エピソード、世界で1億人が見たらしいです。

ただ、第一シリーズのヒロインがまったく好みではなく、その上、どう見ても(英語はほとんどわかりませんが)好感が持てないのです。

面接に来たときも尊大、図々しい、トラブルを巻き起こす、勝手に外出する、主人たちに迷惑をかける、人のいうことを聞かない。これでもかというほど、嫌なメイドです。

主人公についての好みは別として、描写は流石に本場だけあって、物凄いです。珍しいところでは、「朝起きてからの着替え」や、「蝋燭をつける・顔を洗う・歯を磨く」シーンまで再現されています。

今のところ(2話まで視聴)セットに予算が無いのか、「ロンドンの街並み」は映っておらず、「屋敷の中」「展覧会」「画家の部屋」といった、「イベントの起こる閉鎖空間」があっても、移動できる街並みは出てきません。

多分これからヒロインの鋭角・蛮性が「削られて」、立派な使用人になっていく流れなんでしょう。極端に「使用人のルール」を犯していますので、演出上の問題なのかと。

屋敷の構成は主人と夫人、執事、ハウスキーパー、パーラーメイド、コック、キッチンメイド、従僕×2、そして主人公のハウスメイド兼パーラーメイド、です。

尚、前に『a Day in the Life of a Victorian Domestic Servant』を紹介したとき、そこに意地悪なパーラーメイドRoseが出てきました。それはどうやらこのドラマのパーラーメイドRoseをモデルにしているみたいです。

1日2本(2時間)見ても、一ヶ月はかかるので、根気よく視聴します。夏の新刊にはこのDVDのレポートを少し入れると思います。最近は『小公子』『アボンリーへの道』と海外ドラマも多く、ますます時間がありません……
2004/02/15(日)

ある程度の時間を費やせると、読解はそれなりに進みます。気を抜くと「逐次翻訳」になりそうですが、英書の読解では「どこに何が書いてあるか」をメモしてエピソードを拾い上げ、後で文章を書く時に情報のありかを思い出し、全訳する感じにしています。

とりあえず『THE COUNTRY HOUSE KITCHEN』は読み終わりました。「氷室の作り方・当時の氷事情」や「スコットランドのカントリーハウス」と言った章は軽く読み飛ばしましたが、概ね、面白い情報を拾いました。

さて、久々に買い物をしました。DVD『虚栄の市』です。このサッカレーの名作は岩波文庫で出ていましたが、読んだことはありません。ただ『19世紀のロンドンはどんな匂いがしたか』の文中で何度か紹介されています。

舞台は19世紀初頭、ふたりの女性が主人公です。ひとりは裕福な家の女性アミーリア、もうひとりはベッキー。ベッキーは向上心が強く、成り上がろうと結婚相手を物色します。最初はアミーリアの兄に狙いを定めますが、アミーリアの恋人のジョージが「ベッキーを義理の姉に持ちたくない」と策略を巡らし、この試みは失敗します。

その後、ベッキーはガヴァネスとして「準男爵」(バロネット)の屋敷で働き始めます。この人が好色な人で、ここでもベッキーは重宝されます。そんなこんなでベッキーは各地で男を魅惑し、最終的には国王への謁見にまで漕ぎ着けますが……

ベッキーの物語は「徐々に上流へ」移行していき、華やかな社交界を舞台に、ベッキーと有力貴族スタイン侯爵との不倫、遺産相続を巡る親族の戦いなど、様々な要素が盛りだくさんです。

一方、アミーリアは不誠実な恋人ジョージに一途な思いを寄せ、ジョージの友人ドビン大尉はそんなアミーリアに誠意を尽くし、ジョージの不実を責め、ふたりに(主にアミーリアに)献身します。

BBC制作の様々なドラマは日本でも発売しています(IVCから)が、白黒や古い時代に撮影された物が多く、あまり買う気がしませんでした。しかし最近、かなりの速度で「1990年代に撮影された綺麗なカラー映像」がDVD化されています。(『高慢と偏見』と同じような感じです)

今回の『虚栄の市』もそのひとつで、2003年に日本でも買えるようになりました。来月には1990年代に作られたディケンズの映像が数多く発売されますので、楽しみです。(買う前に原作を読むつもりです)

映像は全部で6時間。音楽がやや好みではない点を除けば、衣装の綺麗さや使用人・メイドとの関係、醜悪な人間模様、結婚の打算と現実、都市での暮らしなど、様々な要素が詰め込まれています。

あと、ついにアメリカ・カナダのDVD(Regionコード1)に手を出します。Region1用のDVDプレーヤーを買い、イギリスの使用人ドラマ『Upstairs Downstairs』のBOXを買うからです。

前に外伝1巻でも書きましたが、イギリスのソフトはRegionコード2で、日本のDVDプレーヤーでも再生できます。ところが、『Upstairs Downstairs』のDVD-BOXはアメリカ版しか存在しません。イギリスのソフトはバラバラで、その上、高いです。

送料も高いイギリスと異なり、アメリカ版は日本のamazonでも買えるので、今後のことも考え、Region1用のDVDプレーヤーを買うという結論になりました。不便なのか便利なのかわかりませんが、「英語の勉強になればいいなあ」と思います。
2004/02/12(木)

「1日30分、毎日英書の読解をしたら作業がはかどるだろうなぁ」と考えていたのですが、30日やったとしても実際は900分、15時間にしかならないと気づきました。それならば毎週末の土日×3時間×4週間=24時間の方がいいとも思うのですが、また考えると「たった1日分」にしかなりません。

何が言いたいのかというと、「ネットを疎かにする」「人付き合いを減らす」「無駄な時間を無くす(部屋に転がっているマンガを漫然と読む)」「ゲームをする」、以上の改善を行い、時間の確保を考えています。「読まなければならない・読みたい本」が本当に山積みです。その上、仕事&趣味の多くが目を使うので、肩こりもひどいです。

ここまで考えたのは、いろいろと友人と話していて「4巻を夏に出してみる努力をしよう」と思ったからです。締め切りまで半年を切っていますが、未読の本ばかり。しかも整理しきれるか自信が無く、今までで最も「情報の整理」が難しい内容です。

そんなこんなでしばらく、というか更新は週一回以下の頻度にします。「作りたい本」があって、「作るのに必要な物は時間」であるとわかっている以上、最善の手段を尽くそうと思います……こう書いておきながら、既にいろいろとあって30分。決意が変わるまで、続けます。

視力が今よりも遥かに良ければいいのですが……そろそろ取捨選択の時期になってきました。
2004/02/10(火)

気づいたら締め切り包囲網で昨日はやばかったですが、事務処理の鬼と化し、今日にコミケの申し込み、並びに同人誌の振込・原稿送付が完了して、乗り切りました。



今回のカットはこんな感じです。実際に提出したカットには、『小説+資料本』のキャプションを追加しています。今回もカタログに掲載されたらいいなぁと、願いを込めて送り出しました。

結果として、短編集はいいバランスになりました。『ブリキのトランク』は使用人側の視点で、『階段の途上』は「階段の上」(主人階級)の世界に登りきれない侯爵ジョアンの立場を描いています。「階段の上」「階段の下」がちょうどよく書けたかなぁという感じです。

あとは宅急便の配送事故・手違いが無い限り、当日に配布できると思います。

英書の読解も徐々に再開しました。前回の「ランドリーメイド」の如く、「デイリーメイド(ミルクメイド)」も、「えぇ?」という知識が盛り沢山になりそうです。ネタ晴らしは徐々に行いますが、和書には無い視点ですので、楽しみにしていて下さい。
2004/02/09(月)

のんびり構えていたら、いろいろな締め切りが迫っていました。夏コミの申し込みは明日の消印有効、無料配布の同人誌もよく考えたら、印刷所からの直接搬入が無いので、「印刷所から宅急便」で送ってもらわなければならず、締め切りが微妙に早い計算になります。

今日に蓮野さんからイラストとサークルカットを貰えたので、早速、明日にも夏コミ申し込み(入金済み)と、同人誌の入金・入稿をしないといけません。

『ブリキのトランク』(エリザベス編)、『階段の途上(タイトル変更)』(ジョアン編)の2本が完成しています。蓮野さんから表紙の絵も貰いました。明日にでも、サークルカットとあわせてアップします。

原稿完成から発行までの間が短く、普段のように「寝かせる」ことが出来なかったので若干不安なのですが、それらしい雰囲気は伝わるものになったと思います。
2004/02/03(火)

なんとか、コミティア67向けの短編集が2本、仕上がりました。印刷して読み直してから、友人に校正してもらい、来週ぐらいに蓮野さんから表紙絵を貰えば、入稿できます。

A5判・20P・無料配布の予定です。A5判での印刷は初めてですが、コンパクトにまとまり、小説本としては適切なのかなぁとも思います。

裏表紙には、冬コミの新刊3巻で使うはずだった『幻の没原稿』を使います。冊数は200部の予定で、同じ形での再版は行いません。当日配り切る勢いで、希望された方に配布します。

新刊を出せないイベント参加ごとにこうした短編集を作るつもりですので、その作品数が増えたときに、再編集して1冊にまとめます。

本当はミニコラムも追加したかったのですが、今回はページ数の都合で、小説のみです。間に合ってよかったです。

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