制作日記


2002/12/31(火)

いよいよ今年も終わりです。自サークルでの初スペース確保となった先日のコミケ、予想外に本が消え、先日の委託と当日とで、既刊の残りは蓮深さんに以前に預けた委託分だけになりました。買って下さった方々には感謝しております。

ジャンルがジャンル(今は特に旬)ですし、どのぐらいの需要があるのかわからないですが、新刊だけを買って下さった方々の期待には応えたいので、夏には(落ちれば委託で)既刊となる1巻の2版を刷ります。

内容的には1巻を既に買ってくださった方々の気持ちを損なわないように、特に追加はしません。誤植の修正と、読みにくい箇所の再編集など、それぐらいにしておきます。新作となる3巻は、夏を目指しますが、難しければ冬になります。制作状況はここに書きますので、当日になって本が無い、ということは無いと思います。

そもそも自分は運が悪いので、受かる確率は常人の半分程度です。

誤植は今回もありました。その辺りは年明けにでも見つけ次第、サイトにアップしていきます。在庫が無くなれば第2版を作りますので、それに反映します。同人活動は不慣れで、他にいろいろと趣味もあり、時間配分が難しいので、以前同様、好きなペースで続けていきますが、仕事の忙しさ次第ですね…

蓮深さんがご友人と、他のイベントでスペースを取られたようです。1月のイベントで既刊と新刊の委託をしていただけますので、詳細がわかりましたら、告知をします。

資料代や制作費だけで大幅にマイナスで、儲けはありませんが、同じジャンルに興味を持っている方々にとって役立てるものを提供できればと思います。

次はいよいよメイドさんです。これがいちばん難しく、人の目が厳しい内容です。この分野へ関心を持ち、本を作ろうと思ったのが、2000年の最初の頃です。どんな本があるのだろうかと、その年の夏コミで初めて買い、その内容の濃さに驚いた同人誌が、制服学部メイドさん学科さんの本です。

メイドさん関係では最高の本です。このジャンルを読む多くの方は、その内容を知っていますし、必読の内容です。なので、同じ切り口では無く、違った角度から作ろうと思います。今回は新刊の交換もさせていただき、感動しました。

物の見方の違い。その面白さを感じたのは、一回限りの放送しかなかった英国BBC制作の「百年前の暮らしを再現するドキュメンタリー」を見たときの感想が、違っていたことでしょうか。

光を当てる角度が違えば、より多くの実像が見えてきます。メイドさん関係の資料や知識、雰囲気について、新しい素材を提供でき、参考としていただければ幸いです。

今年の制作日記はこれにて、終了します。きちんと「制作」の日記が年明けから書けるよう、久々に読書でも始めます。今年一年はいい形で終わることが出来ました。


2002/12/29(日)

今日は友人の海野氏が『SHADOWRUN』小説の新刊を出した「竹脇」にて、1巻の委託をさせてもらいました。資料系が少ない感じなので、その点で意外と売れていたようです。購入して下さった方、「続編は?」と聞いてくださった方、そして海野氏、ありがとうございます。

自分での申し込み初当選となる明日、蓮深さんが当日の看板に素晴らしい絵を描いてくれましたので(家宝認定)、それを見つけていただけたら幸いです。結構、本格的に資料を読んで、咀嚼して、作っていますので、何かしらの雰囲気の参考になると思います。

今回は初めて自分の感性で色や紙を選びましたが、思ったような仕上がりにならず、再生紙も望む色ではなかったので、値段を100円、下げました。昔から色合いについての感性は悪いと自覚していますが、今後はやはり頼れる人に助言を求めます。それに次回からは値段も安く、今までも特に問題の無かった栄光に戻します…今回はかなりぎりぎりでしたので、栄光のフェアに間に合いませんでしたから。

とりあえず、運良く2巻目も出せました。そろそろまた3巻の制作を始めますが、ある程度巻数が進んだら、1冊で出してみたいです。果てしなく…高そうですが。


2002/12/25(水)

NHKの『ハリー・ポッター』の番組は途中まで見ました。前に見たのは途中からだったのでまぁ、それなりに良かったです。BGMにハウス名作『ロミオの青い空』(黒い兄弟=シュバルツブルーダー)を使っていたりもしました。

最近、友人から『銀河英雄伝説』のDVDを借りて見ています。前に「声」について書きましたが、いろいろと書きたいなと思い、ここに書きます。このDVD、様々にショッキングな出来事でいっぱいです。

高校時代に初めて見て以来、声優をちゃんと覚えたのがこのアニメでした。『銀河声優伝説』と呼ばれるぐらいに、ほとんどの有名な声優が出ています(当時)。今は亡き富山敬さんも『ヤン・ウェンリー』を演じていました。自分としては『Aチームのクレイジーモンキー』、『名探偵ポワロのヘイスティングス大尉』『バックスバニー』も好きでしたが、第三期収録後、ヤンの死と重なるような逝去に、当時はショックでした。

今回のDVDで何がショックかというと、ダンブルドア先生に続き、ドワイト=グリーンヒル氏の声優、『正宗一成』さんの声が薄かったことです。『銀英伝』の第一期よりも衰え、『トランスフォーマー』のCMや、NHKスペシャルで大好きだっただけに…

次に、シェーンコップの歌うシーンです。『特攻野郎Aチーム』のリーダー・ハンニバルでおなじみの『羽佐間道夫』さんなのですが…曲の音程が取りづらいのか、劇中歌が非常に下手で、泣きました。

ローゼンリッターのカスパー・リンツを演じた『小杉十郎太』さんの歌はまだ聞けましたが、あれは小椋さんの作曲なんでしょうか、非常に歌いづらそうで、聞いている方もめちゃくちゃにつらかったです。

偶然というか、シェーンコップの愛人『ヴァレリー中尉(?)』の声優が「土井美加」さんでした。この人は『超時空要塞マクロス』でヒロインを演じ、羽佐間さん(館長役)とも共演していたので、そのつながりに驚きました。

そして、アメリカ映画張りの「ベッドシーン」(銀英伝初?)もあり、なかなか微妙な雰囲気でした。DVDや終盤の第四期ぐらいからは残酷表現も増えていましたし、読者層・視聴層を考えれば、今まで無かったのも変な話かもしれませんが。

『マクロス』といえば、20周年記念の『リン・ミンメイ』のアルバム、買いました。これも20年の歳月か、声が非常の衰え、無理に歌おうとしている部分が厳しく、一度聞いただけで二度聞く気になれませんでした。巧拙ではなく、声の厚みというのか…まぁ昔の声が聞きたければそのときのCDを聞けば済むだけなので、あまり深くは気にしていないのですが、声の話ばかりですね。

さて、コミケの話です。今回は夏コミの時に友人と出した『ロードス島戦記』の小説も置いています。「レイリアとスレイン」「エトとフィアンナ」という、ややマイナー系のキャラクターのサイドストーリーを扱ったものです。

それと2日目のTRPGで合格した友人がサイバーパンクの『SHADOWRUN』でアンソロジーを出すので、よろしければHP竹脇をご覧下さい。寄稿する予定でしたが、途中までしか書けなかったので、次回に機会があれば書いて見たいです。


2002/12/23(月)

今回は印刷所を変えましたが、ネットで状態が確認できます。今は印刷が終わったようで、あとは製本作業と発送だけみたいです。

前回の在庫は半数程度残っておりますが、専門ジャンルでは出ていなかったので、今回の販売はかなり未知数です。メイドさんのコスプレする人は多そうですが、それ以外はどうなんでしょうか。

2000年ぐらいに同ジャンル(創作:少年)を見回ったときは空いていて、人があんまりいなかったような気がするのですが。

とりあえず今日はペーパーを制作して、新宿のキンコーズで刷ってきました。これでだいたいコミケ前の準備は終了しました。あと一週間、本当に早いものですね。

そういえば今日の深夜に、NHKで『ハリー・ポッター』の世界を荒俣宏が訪問するという番組が放送されます。過去に見たときは「野村佑香」が一緒にいて、錬金術を志す謎の英国人も出ていました。

そして今年、荒俣宏と別のガイドで、番組が放送されました。そのガイドは、映画『ユリイカ』『富江』やCMの『緑水』の宮崎あおいと、岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』、現在の『三井のリハウス』に出ている、蒼井優のふたりです。

映画で見てすごいなぁと思っていたふたりなので、番組記事を新聞で読み、見るぞと楽しみにしていましたが、出かけて見られませんでした。今回はそれの再放送だといいなぁと…と思っていたものの、調べてみると最初の方でした。

残念です。


2002/12/16(月)

若干、冬コミの告知を行う構成にしてみました。

友人に寄稿するはずだった『SHADOWRUN』の小説はその時点で『ヴィクトリア朝』が書けなかったので、今回は駄目でした。原稿は集まったので、本自体はちゃんと出ます。夏に続き、冬もそこで既刊の『ヴィクトリア朝の暮らし』を置かせてもらう予定です。

新刊は30日に自分のスペースで頒布します。前巻は作ったものの、蓮深さんの御友人への委託だったので自分の手で、見本誌登録できませんでした。今回も2巻を2日目の友人のところに出してしまうと、自分の手で登録が出来ませんので、3日目の自分のスペースを最初にします。

とりあえず終わったんですが、今回は『創作(少年)』という、未知のスペースです。やけにメイドさん関係が多い中、果たしてどうなることやらと、今からいろんな意味で楽しみです。

あとは自分、あんまり色彩感覚が無いので、表紙の配色がうまくいったか、微妙です。無難にまとめていますが、前回(藤好さんにお任せ)のようないい感じの色合いを出せていないと思います。


2002/12/08(日)

マイナス思考にならず、ラストスパートをかけて、土曜日にようやく原稿を仕上げられました。壊滅的だった「ヴァレット」も、『ミセス・ビートンの家政読本』に、その職業についての説明があり、そこからインスピレーションを得て、小説も解説もどうにか書けました。

先週の時点ではかなり諦め、「今回は切り捨てようか」と台割からも外したのですが、既に蓮深さんにイラストを頼んでいましたし、最後の追い上げで、準備も整い、あとはイラストを蓮深さんから受け取り、印刷所に持っていくだけです。

ページ数は最終的に48ページになりました。

とりあえずこれからBSでヴィクトリア朝関連の映画がやるみたいなので、見ようかなと。映画というと、『ハリー・ポッター』最新作は公開1週間後に見に行きましたが、同じく一週間後に見た『FF』と同じくらい、客足が寒かったです。日本最多と言う上映館数で公開してくれれば行列にはならず、楽をして見れたのですが、それでも4〜6割程度の空席があると、寂しかったです。

久々に1作目をDVDで見ましたが、ハリーの声がかわいくて驚きました。最新作ではもう声変わりが始まっているのでしょうか? プロフェッサー・ダンブルドア(役の人は逝去)の声も最新作では薄い感じがしていましたが、旧作では朗々たる声で「静かに!」と言い渡すシーンがあったりして、生命と声は密接に結びついていますね。


2002/11/19(火)

今年の冬コミですが、先日の2002/11/13、ネットの検索で当選を知りました。ジャンルを歴史から、この系の資料がある「創作(少年)」に変えたのがよかったのでしょうか?

今まで「SPQR」で1〜2回申し込みましたが、落選。落ちるはずがないと言われた冬コミの委託でも、書類不備により、すさまじい確率の「不合格組」に入ってしまいました。

今回の合格は本来ならば歓喜すべきものですが、仕事での状況が非常に厳しく、受かった瞬間も風邪をこじらせ、最悪の状況で話を聞きました。とはいえ、折角受かったのですし、二度と受かるとは限らないので、現状で発刊することにしました。

今までの構想では「上級使用人+女性使用人(家政スタッフ=料理以外)」を予定しましたが、あまりにも整理しきれず、今回は「上級使用人」に留めました。今回扱うのは「執事」「ハウスキーパー」「ガヴァネス(女家庭教師)」「ヴァレット(近侍)」です。

ネタとしては「ガヴァネス」の小説部分が弱く、「ヴァレット」は壊滅的に進んでいません。

それでもページ数は40〜48ぐらいになるはずです。「もしも当初の予定通りだったら100ページ越える」と思うと、今のでちょうどいいかもしれません。前回はページ数が多く、非常に高くなってしまいました。

運良く、この時期に『ゴスフォード・パーク』という、「使用人の世界を描いた最高の映画」が上映され、随分と参考になり、やる気も出ました。(まだ見ていない方はぜひどうぞ。『ハリー・ポッター』の新作も、カントリーハウスの雰囲気があるので楽しみです)

そしてもうひとつ、友人も合格しました。友人は2日目で、TRPGサークルで出ます。前回は『ロードス島戦記』でしたが、今回は『SHADOWRUN』の短編を書きます。

まったくベクトルが違うサイバーパンク小説(厳密では無いですが)を書きますし、長編の傾向があり、さらには冗長な書き方をする自分ではありますが、今回は実験的なもの(話も文章も短く)を試しています。

もしよかったら、そちらもご覧下さい。

自分を追い詰めるかのように、予定山積みです。仕事も忙しく、他にやることも多く、加えて今回の創作、そして友人への寄稿。「全部出来たら、自分、すごいな」と思いながら、頑張ろうと思います。志したものを、貫徹できるのは気持ちいいものですから。


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